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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
準決勝
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・フェルナンドを初めとして、全員が戦略研究課程の生徒だ。

 それでも……。
 慣れたように姿を見せる目つきの悪い青年。
「烈火……」
 誰かが声を出せば、フォークですら説教を止める。
 前評判をあざ笑うかのように、全て圧勝で予選を終了させた。

 ざわめきが波のように広がる。
 アレス・マクワイルドを先頭にして、並ぶのは彼のチームのメンバーだ。
 四学年のセラン・サミュールはともかくとして、他のメンバーは緊張を浮かべている。
 それもそうだろう。
 準決勝というだけでも緊張するのに、彼のチームメイトとして期待を込められれば。

 そんな視線に、フォークは鼻で笑う。
「のんきなものだ」
 と。
 振り返ったライナに、フォークは爬虫類を思わせる笑みを浮かべた。

「いいか。覚えておけ――戦いは始まる前には、既に終わっていることもある。奴は決勝には進めない」
 
 + + +

 戦いは、誰もが想像していない方向へと進んでいた。
 最初に奇襲によって三学年が――次に、奇襲のため待機していた二学年の後方を、狙い澄ました様に襲撃されて、飛散した。
 わずか三十分の間に二艦隊が大きく打撃を受け、対する相手はほぼ無傷の状況である。

 開始三十分が経過して、アレス艦隊は大きく劣勢に立っていた。
 戦いは遭遇戦――そして、場所はクラウディス星域。
以前のアッテンボローとアレスが対戦した場所であったが、今回は様子が違う。開始直後に動き始めた相手のフェルナンドは、実に見事な艦隊運用を行っている。
 まるで場所を知っているかのように、相手の行動を読み、戦略を立てて、攻撃する。
 アレス艦隊も、上手く対応はしているものの、最初の出遅れが響いていた。

「フェルナンドは賭けに出た――そして、見事に賭けに勝ったみたいだ」
 観客の一人が、感心したような声をあげた。
 策敵を最小限に行っての行動は、失敗すれば大きな被害を受けることになる。
 その可能性を理解しても、アレスと戦うためにはリスクが必要と思ったのであろうか。
 それにしては……。

 戦場の様子を見ながら、ライナは眉をひそめた。
 賭けだというのであれば、動きに多少のぎこちなさが生まれるはずだ。
 しかし、フェルナンドの艦隊に、そのぎこちなさはない。
 まるで決められたように動き、決められた作戦行動をとっている。
 そんな感じを受けた。

「しかし、これでアレスも四連覇は無理だな」
 笑いを含んだ声に、ライナは観客の男を睨む。
 その視線に気づかずに、観客の男は更に言葉を続けようとしていた。
「……な、わけがあるか。馬鹿ども」
 思わず強く否定しようとした言葉。
 それは背後から聞こえた野太い言葉によって、遮られた。
 背後
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