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魔狼の咆哮
第二章その一
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そして四人は捜査室へ入っていった。
 窓一つ無く密閉された部屋であった。奥に白いボードがありそこに数枚の写真が貼られている。中央に置かれたテーブルには地図や写真、被害者の資料等がある。
「こういった部屋まで我が国のとそっくりですね」
 思わず本郷は苦笑した。
「では今後の捜査等についてもう一度じっくりと話し合いましょう」
 警部がテーブルの前に来て言った。
「ええ」
 一同はテーブルにつき今後の捜査について暫くの間話し合った。やがてドアをノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
 一人の制服の警官だった。部屋に入ると敬礼をした。
「お客様が来ておられます」
「誰に?」
「御四方にです」
「全員に?誰だ?」
「カレー氏です」
「・・・彼か」
 警部の顔が曇った。
「例の暗殺者の一族の者ですね」
 本郷が小声で尋ねた。
 「ええ。前に言った通りこの事件に妙な関心を抱いていましてね。まあ会うのを下手に断っても悪いことはあってもいいことはありません。行きますか」
「はい」
 かくして四人は捜査室をあとにし面会室に向かった。
 ドアをノックするどうぞ、と入室を促す声がした。署長の声だった。
「署長も御一緒か?」
 警部の目が少し見開かれた。
「何か重要な話なのか?」
 四人はそう感じたが顔には出さずそのまま入室し礼をした。
 絨毯が敷かれ花が置かれ多少贅をこらしたソファが二つ、そして木のテーブルがある。署長はドアの方のソファーのところに立っていた。

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