てるてる坊主
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たげな表情をしていたのは余談である。
更にルーは続ける。
「てかさー、そもそも僕達って敵同士じゃん?さっきの水流拘束の時も思ったけど、どうしてグレイを倒そうとしないの?」
「そ、それは・・・その・・・」
再びジュビアは口ごもる。
「だ・・・だってジュビアは・・・あ、あなたの事が・・・す・・・す・・・」
ルーの言葉に言いよどむジュビア。
「てか雨強くなってねぇか?」
「確かにねー、ティアが喜びそう」
「は?何で」
「知らないの?ティアの魔法は雨の日に威力が上がるんだよ」
「ジュビアじれったい!」
言いたいのだが恥ずかしくて言えず、ジュビアはじれったそうに体をくねくねさせる。
「全く・・・うっとうしい雨だなぁ」
だがその言葉を聞いた瞬間・・・ジュビアの表情が一気に変わった。
頭の中でグレイの言葉がリピートされる。
(この人も・・・今までの人と同じ・・・)
そう思い、フルフルと小刻みに震える。
「同じなのねーーーーっ!」
「うお!?何だっ!?」
「あっ!もしかして・・・」
そして一気に体から湯気を噴き出す。
それを見たグレイは驚愕し、ルーは何かに気づいた。
「来るなら来やがれ!」
「相手になるよっ!」
2人は戦闘態勢を取る。
(ジュビア・・・もう恋なんていらないっ!)
「ぐぼぼぉっ!」
「うがっ!」
勢いよく襲い掛かってきた熱湯に飲み込まれるグレイとルー。
「また凍らせて・・・」
もう1度凍らせようと手をかざすが、凍らない。
凍るどころか、氷すら出てこないのだ。
「!さっきよりも高温なのか!?」
「風で熱気を飛ばしても・・・全然飛ばないよ!」
(いらないっ!)
「うわぁあっ!」
「わぁぁぁっ!」
そのまま2人は流される。
そんなジュビアの脳裏によみがえるのは、昔の光景。
『ジュビアちゃんは遠足休んでほしいよな』
『アイツいると、いつも雨降るし』
学校だろうか。
入り口に立つ幼いジュビアに気づかず、そんな会話をして笑い合う少年達。
(ジュビアは雨女・・・)
幼いジュビアは可愛らしいにっこり笑顔のてるてる坊主を作る。
『何でいつも雨なんだよ。君とは釣りにもキャンプにも行けないじゃないかっ!もう別れてくれないかな』
付き合っていた男に『雨女だから』を理由にフラれるジュビア。
ちなみにジュビアを振ったこの男、かつて火竜を名乗り悪事を働いていた、ナツとルーとルーシィが出会うきっかけになったとも言える、紅天のボラである。
「どうせジュビアはうっとう
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