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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
もしもチートなのは外伝 私の義兄は鬼いちゃん
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と分かってはいても、そんな哀れななのはに同情を禁じ得なかった。何を隠そう、ニルスもちょっと怖いのだから。マリアンは自分の家の兄を思い出してか微笑ましそうに見てるけど。あれ絶対に和む風景じゃないって。

「なのは。僕は・・・嘘つきは悪い事だと思う」
「・・・は、い」
「そしてなのはは家族全員に嘘をついて、ここで魔法を習っていた」
「・・・・・・はい」
「僕は家族なのに、なのはからそんなこと一言も聞いていなかった」
「・・・・・・うう」
「妹で末っ子なのに家族に隠し事して、一人で勝手に魔法の勉強始めて。どうしてお父さんやお母さん、お兄ちゃんやお姉ちゃんに・・・僕に相談しなかったの?」
「心配・・・されると・・・反対されると思って。運動音痴だからお前には無理だって、剣道の時もそうだった」
「じゃあ危ないかもってわかってたんだ」
「・・・はい」

既になのはは涙がいつ目から流れ落ちるか秒読み段階。なまじ叱られた経験が少ないだけに、クロエの一言一言が胸に突き刺さる。そもそも普段無口なクロエが妙に饒舌な時点でおかしいのだ。確かにもっとお喋りしたいとは思っていたが、こんなシチュエーションは御免被りたい。

「反省、してる?」
「はい・・・」
「なら魔法を捨てる?」
「・・・・・・嫌!!」

ほぼ、無意識の言葉だった。それでも確かになのはの本心であった。
魔法があったからこそ出会った人がいる。魔法があったから護れたものがある。
剣が心を映す鏡ならば、魔導も然り。レイジングハートにはなのはの不退転の決意が宿っている。

「私は悪い事をした!でも、それとこれとは別!だから・・・魔法は捨てない!!」
「・・・やっと、わがまま言った」

ふと、クロエが振り返り、きょとんとするなのはを前に顔を綻ばせた。

「なのは、僕に全然わがまま言わないから・・・家族として認められてないと思ってた」
「え・・・」

その瞬間、なのはの脳裏に親友に言われた言葉がフラッシュバックした。

―――言葉がすべてじゃない でも見てるだけでも近づけない―――

どうも、また間違ったみたいだ。待っていたのはこちらではなくあちら、クロエはずっとなのはに心を開いてほしくて、クロエにとってのそれは我儘なりなんなりの感情を露わにしてくれることだったんだろう。しかしいい子を演じるのが当たり前だと思っていたなのははそれに気付けなかった。

先ずは相手に一歩歩み寄ることから始めよう。次にその人の事を良く見よう。そしてわからないことがあったら声を掛けよう。その3つのどれが欠けても、人と分かり合うのは難しいんだ。



「じゃあ、杖を抜くといい・・・」
「ゑ?」

すらり、とクロエの手元に美しい西洋剣が握られる。剣からははちきれんばかりの魔
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