山下り
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えた
敵を殺す準備は出来ているといわんばかりにバキバキとスーツが反応する
無慈悲に拳を振り上げ距離を詰めとどめの一撃を指すべく駆け出した
目覚めの一発ありがとよ、そんでもってサヨナラだなっ
心の中で感謝をし肉弾戦車と化した身体は一息で間合いを縮める
戦鎚の如く振り上げられた鉄拳が身動きしない目標に迫った……
正にその瞬間
「おぅらぁっ「思春っ!?」あ?」
急に何かが前に飛び出してきやがった!
何だぁ!蓮華かっ!?クソがっ!
振り上げ突き出そうとした拳を無理やり制動する暁
だが助走をつけて飛び上がった勢いを完全に止める事は出来ず
そのまま前方へヘッドスライディングの様に吹っ飛んだ
バキバキと枝を折りながら回転し数メートル程進んだ所で木にぶつかり止まる
畜生……興醒めだぜ
天地がひっくり返しになった状態で染々思う
砂ぼこりがたちこむ中ムクリと立ち上がった
戦意も失せ、その辺に落ちていたぼろ切れを額に巻き付け止血する
深くはないが浅い傷とゆうわけでもない
あまり血を流し過ぎるのも好ましくねぇな
やれやれ…とんだ骨折り損だぜ
傷の痛みを感じながら重い足取りでキャンプへ歩いて行く
さっさと出発しちまおう……これ以上厄介事はごめんだ
まとめた荷物を回収し足早に立ち去ろうとする…が
ガシッと肩を捕まれた
「なんだ?まだ用でもあんのか?」
「何処に行くの?」
「山下るんだよ、これ以上面倒事は勘弁だ」
「その額の怪我……まだ血が出ているわ!」
「あぁ、まぁ何とかなるだろ気にすんな」
「気にすんな……ってちょっと」
おもむろにバックを背負い歩きだす
今日中に山を抜けてあわよくば村でも見つけて食いもん貰えりゃ……
あれこれと頭の中で都合の良い予定を設定していく
しかしながら実際その通りになる事はほとんどない
あくまで予定は未定なのだから仕方がないのだが……
「ちょっと待て!貴様!蓮華様が呼んでいるであろうが!」
「俺はさっさとこんな山から出たいんだよ、飯だって食ってねぇんだぞ」
「そんな事知るかっ無礼者め!」
「何だよ、さっきの続きでも始めるか?」
「二人とも止めなさい」
「れ、蓮華様……」
若いながらも威厳のある声で間に割って入った
成る程な……女でも史実の英雄には変わりはないと言うことか
まじまじと蓮華、もとい孫権を見て思う
そんな孫権をガン見していると気が付いたのか話をかけてきた
「巌……で良いかしら?」
「暁で頼むぜ、そっちのがしっくりくる」
「なら暁、その方向に歩いても山は下れないわ」
「まじか」
「だから私達と一緒に来た方が良いはずよ」
「むぅ」
確かに土地勘もないし疲労もしている
無駄に歩き周るのも得策ではない……か
腕を組んで
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