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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第36話 地球の平凡な日常
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「はい、コーヒーです」
「ありがとう忍」
「どうも」

慣れた手つきでコーヒーを渡す忍。
互いにお礼を言うと笑顔でキッチンの方へ消える。

「お前の奥さん、従業員か?」
「まさか。高校の時ここでバイトしていたので、経験があるだけですよ」

そう言ってコーヒーに口をつける。

「やはりコーヒーは家が一番だ」
「同感だ。俺もそう思う」
「そう言ってもらえると俺も嬉しいですよ。………あの、バルトさん」
「今ミッドで何が起きているか………か?」
「!?どうして………」
「俺が1人で動いている事にもあまり納得出来ていない様子だったからな。士郎はともかく初めて会った兄貴は顔に出てた」
「なるほど………俺も修行が足りない」

苦笑いしながらそう呟く。

「さて、先ずはミッドの件だが裏で不穏な動きがあるのは確かだ。そしてその件に関してはまだなのは達は巻き込まれていない。だが、このまま放置しておけば必ず大きな災いになる。だから対処するために単独で動いている」
「なのはに頼っては駄目なのですか?」
「なのはにはあまり裏の事情に巻き込みたくない。………それほど腐っているからな」
「その言い分ですとバルトさんも元は………?」
「軽蔑するか?」
「………いいえ、先程貴方を信じることにしました。だから何も言いません」
「………やっぱ親子だよ」

そう言ってコーヒーに口を付ける。

「まあ色々事情はあるが一応俺自身は裏の世界で手を染めた訳じゃねえ」
「はい、信じますよ」
「ってか肩苦しいんだよさっきから!!歳も近そうだし敬語止めろよ」
「そ、そうです………いや、そうか、確かに歳も近そうだし良いか。だが、バルトは今何歳なんだ?」
「………恐らく25前後だと思う」
「思う?」
「出生が良く分からん。気がついたら俺は武器を持って戦っていた。その後死に物狂いで生き延びて、部隊から逃げ出して犯罪に手を染めながらも生きて………そして恩師にあった」

(だが、この記憶もバルトマンの記憶だがな………)

そう自嘲気味に思いながら恭也を見る。

「壮絶だな………」
「あまり驚かないんだな」
「仕事上、そういう奴の相手をすることは多い。多くがその過去に絶望し、反社会運動に参加したりするんだが………」
「俺の場合は恩師のお陰だな。………まあジジイジジイって言ってたがな」
「そうか………」

「………ってか何でこんな湿っぽい話してるんだ!?やめだやめ!!」

無理矢理話を打ち切るバルトだったが恭也は特に気にすることなくコーヒーを飲んでいた。

「そうだ、昨日零治君に連絡を取っていたが、零治君に用事があるのか?」
「………ああ。アイツは俺以上に裏の奴等の事に詳しいし、更にとても大きい協力者も居るからな……
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