暁 〜小説投稿サイト〜
ヒダン×ノ×アリア
第10話 死闘
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顔。
 当たれば今度こそ終わり。

(だが…。―――間に合った…ッ!!)


 ―――神速(カンムル)、発動。


 レズリーからはどう映っただろうか。完全に捉えたと思った瞬間、目の前から対象が消え失せたのだ。
 百戦錬磨といえど簡単には対処できないし、そもそも速力という点においてレズリーとクルトでは勝負にはならなかった。

(身体の部位…関節を連動させ加速…加速…加速…ッ!!)

 人が動く際には関節の駆動が必要不可欠であり、武道においても、突きや蹴りの速度はこの関節を駆動させ、加速させているからこそ、攻撃の速度を効果的に上げている。
 もしこの関節の全てを駆動・加速させ、一つの突きに集束したならばどうなるか。
 通常の状態においてですらその拳速は先端で時速1236kmにも昇る。それを“神速(カンムル)”によって更に速さにブーストを掛けたならば。それは―――。

 ―――必殺の一撃へと昇華される―――!

「ああぁあああッ!!!」

 ―――雷霆(ライテイ)

 それがこの技の、クルト=ゾルディックが誇る最強の技の名前である。
 雷速の拳撃は先程から幾度となく打ち込まれたレズリーの腹部を穿つ。そしてついに、レズリーはその場で膝を着き、そして前のめりに倒れ伏したのだ。


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