第10話 死闘
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笑みを浮かべるレズリーに怒りを抱くクルト。
(くっそ。やっぱそう簡単にはいかないか…。だが、まだだ)
クルトの鋭い、力強い眼光は未だ衰えない。
「くく、お主も諦めが悪いのう」
今度最初に動いたのはレズリーだった。
そのまま踏み込み、そして先程から一切衰えない超高速の突きを再び放ってくる。
(はっ、相変わらずふざけた突きだ。だが、その突きが…お前を殺すんだよレズリー…ッ!)
迫りくるレズリーの拳をギリギリまで引きつけ、そして身体全体を回転扉のように使いその攻撃を躱す。と同時にレズリーの凄まじい威力をもつその攻撃の威力を乗せた拳をレズリーに撃ち返した。
―――絶牢。
それがクルトが遠山家で教わった技が一つ。
合気道を応用し、相手の攻撃を利用する究極のカウンター技。
「やっぱ自分の攻撃は効くみたいだなレズリー。―――片膝、着いてるぞ」
「く、くはははは!これは完全に予想外じゃのう…」
そう。レズリーは片膝を着いてしまっていた。
単に今の攻撃、「絶牢」によるものだけではない。それまでのクルトの攻撃。なによりアリアの攻撃がここに来てジワジワと効いてきた何よりの証明だ。
「だがまだだレズリー」
クルトは素早く移動すると、レズリーに再び突っ込む。
―――肢曲。
歩行速度に緩急をつける事で相手に残像を見せる暗殺歩法の一つ。
「こんな曲芸風情がッ!!」
レズリーは一人の目星を付け拳を振るう。
「はずれだ」
しかしそれは空を切る。
そして直後に自らの頬にクルトの拳が突き刺さる。
「ぐっ!この程度ッ!」
しかし、そうは言ってみても、今までのダメージが一気に爆発したせいか、先程よりも明らかに動きが鈍っている。
少なくともクルトはそう考え、遂に勝負を決めにかかった。
(これでダメなら俺の前は確定だ)
クルトは先程アリアが「硬」によってレズリーを叩きつけた壁。それにより壁は大きく抉れ、そこから極僅かだが、電気ケーブルが露出していた。
クルトはオーラで強化した手をそこに突っ込む。
バチチチィ!!
凄まじい電流がクルトを襲う。
しかし今はそんな事クルトに関係なかった。
「させるかッ!!」
クルトの充電に気付いたレズリーはそれを止める為に一気に加速し、迫ってくる。
だが、クルトの充電はまだ完了しない。最後の切り札を放つ為に必要な分の充電が。
(くそ、まだか…ッ!)
レズリーあと二歩でレズリーは間合いに入る。
(あと少し…ッ!)
残り一歩を踏み込み終え、遂にレズリーは己の間合いにクルトを入れる。そして己の拳を放つ。
軌道は間違いなくクルトの
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