第10話 死闘
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止まらない嵐のような猛攻に、レズリーの鉄壁の防御力が、耐久力が、僅かに揺らぐ。
(今よっ!)
そしてアリアはそれを見逃さない。
駆け出し、再びオーラを拳の集める。
「舐めるなと言った筈じゃヒヨッコ共ぉぉ!!」
今までにないレベルでレズリーからオーラが噴き出る。その勢いで、クルトは思わず後方に飛ばされる。
「な、なんつうオーラッ!くそ!アリアッ!!」
「もう遅いわ!!」
レズリーは叫ぶと同時に蹴りを放つ。それは吸い込まれるようにアリアの顔目掛けて向かっていく。“硬”を維持している今のアリアにとってその蹴りなど喰らえば、死ぬ事は避けられない。
「させるかぁああぁ!!」
バチチィッ!
クルトは電気を腕を振るうと同時にレズリーに向かって放つ。
―――殷雷。
横に流れるこの電撃により、レズリーの動きが止まる。
「はああぁああ!!」
そして、一瞬も止まる事無く放たれるアリアの拳。
クルトが必ずレズリーの攻撃をどうにかしてくれるという信頼の上に成り立つその渾身の突きが、レズリーの腹部に炸裂した。
「がはっッ!!!」
通路の壁に叩きつけられ、口から血を吐き、レズリーはそのまま動かなくなった。そうなると、クルトとアリアは確信していた。
「甘いのう…」
ドゴォッ!!
壁に叩きつけられたにもかかわらず、レズリーはその体勢のまま、アリア目掛けて蹴りを放った。
完全に無防備な状態で蹴りを喰らったアリアはそのまま吹き飛び、先程のレズリー同様地面を数度バウンドしてぐったりと動かなくなった。
「おやおや、ついつい力加減を忘れてしまったわい。流石に死んだかもしれんなあ」
「………………………」
その言葉がクルトの耳に入る事は無かった。
彼の頭を占めるのはぐったりと地に倒れ伏すアリアの姿だけ。
「まあ、彼女は優秀な教え子じゃったが…、まあ、仕方な―――」
レズリーが言い終わる前に、クルトは彼に跳びかかった。
「阿呆か貴様」
しかし、レズリーはそれを見る事なく拳一発で殴り飛ばす。
「お前はあのビリビリ状態以外はカス同然じゃ。アレ以外で儂に挑むとは笑わせる。それとも―――」
言いながらレズリーはゆっくりとクルトに近づいてくる。
「―――もうあの能力、使えんのか?」
「――――――ッッ」
「くかかかか!図星か」
クルトの使う“神速”には前もっての充電が必要となる。それが無くなれば、能力を使う事は出来なくなる。
そしてそのバッテリーの総量は決して多くはない。
「さて、アリア君は戦闘不能、そしてクルト、お主も今や雑魚同然じ
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