鬼神vs伝説
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「くっ!? ……て、あら? 全然痛くない」
「当たり前じゃ、持国天は絶対命中するが威力は格段に劣る。じゃが……」
そこで止まった鉄心の声に千李は身構える。だがその刹那、上から超重量が加わった。毘沙門天である。
「ぐっ……!! 餓皇双狼刃!!」
直撃した瞬間両手から再び二匹の気で作り出した狼を毘沙門天の足に喰いつかせる。だが、直撃した衝撃は抑えきれず、千李は再び舞台上に急降下する。
だが今度は叩きつけられることはなく、何とか地面に立つが、
「隙だらけじゃぞ? 零の顕現 天之御中――!!」
「させるかってーのよ!!」
鉄心が言い切る前に千李は鉄心に突貫する。
「幻魔懺狼穿!!」
「ぬっ!?」
駆け抜けざま千李は両手に気を溜め込んだまま、鉄心の胸を×字に穿つ。
千李の攻撃のため発動準備段階であった天之御中主は不発に終わった。
「ぐぅ……やるのう……。天之御中主を出す前に防ぐか」
「はぁ……はぁ……、結構ギリギリだったけどね」
肩で息をする千李はにやりと笑う。先ほどの千李の攻撃は鉄心の体にも相当なダメージを負わせたはずだ。
その証拠に、鉄心自身千李ほどではないが息が上がっている。だが食らっているダメージでは千李のほうがまだ大きい。
するとそのとき、
「おかあさん!! がんばって!!」
「っ!! 瑠奈……」
結界の外、百代の隣で瑠奈が声を張り上げて叫んでいた。その双眸には涙も伺える。それを見た千李は微笑を浮かべ。
「悪いわねジジイ。この勝負やっぱり勝たせてもらうわ」
「かっかっか、やはり子の力は凄いのぉ。だが千李、ワシも瑠奈がいるからと言って手を抜く気は毛頭ないぞ?」
「わかってるわ。本気のアンタに勝ってこそ私はあの子に胸を張れるんだから。手を抜くなんて許さないわ」
拳を打ち鳴らす千李の瞳は今まで異常に熱く、そして強い光に満ち溢れていた。
そして千李は体勢を低くし鉄心に一気に詰め寄る。
……先ほどよりも速い!?
千李の速さに鉄心が目を見開くが、次の瞬簡には既に千李の姿が目の前に迫っていた。
彼女は四肢に気を溜めると猛烈な速さで拳を放つ。
「ハッ!!」
それを受け止める鉄心だが、先ほど以上の重厚な一撃に鉄心の顔が苦悶に歪む。
「銀狼牙錬撃!!」
受け止められたのを皮切りに千李は拳の連打を叩き込む。それは無双正拳突き以上の拳の嵐だ。
「くっ!?」
さすがの鉄心もその拳の嵐をさばき切ることはできないのか大きく後ろに飛び退いた。
だが、飛び退いた瞬間、先ほど喰らった幻魔懺狼穿のダメ
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