鬼神vs伝説
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口をあんぐりとあけていた。
「なぁモロ……これはアニメの世界なのか?」
「いや違うぜガクト……これはアニメの世界じゃなくきっと格ゲーの世界なんだ」
「ちょ! 二人とも落ち着いて!? 現実逃避しないでこれは現実だから!! 僕も信じたくないけど!!」
岳人と翔一の現実を逃避した発言に卓也がツッコミを入れるが、彼自身今現在起きていることが信じられないでいる。
「おー、やっぱりこうなるよなぁ……。大和やワン子たちは大丈夫かー?」
「なんとかこれが現実だということは受け止められてるよ……」
「一応あたしもー……目がついていかないけど」
「ギリ……」
「自分もあれは見切れない……」
百代の問いに四人は苦笑いしながら頷いた。それもそうだ、今は鉄心が放った毘沙門天を千李がかき消したあと、すなわち第二ラウンドが行われている真っ最中だ。
それでも最初の方から動き回っているくせに未だに二人の動きが衰えている節は感じられない。
また二人が蹴り合ったり拳をぶつけ合ったりする度に気同士のぶつかり合いで紫電が走っているため、みなが現実逃避したくなるもの頷ける。
だがそんな中でもただ一人、千李の戦う姿を瞬き一つもせずに見つめる幼女の姿があった。
瑠奈である。
彼女は死合いが開始された当初から二人の戦闘をジッと見つめている。
「瑠奈? 大丈夫か?」
「うん、だいじょうぶ」
百代の問いに瑠奈は静かに頷いた。そして言葉をつむぐ、
「おかあさんとやくそくしたの。おかあさんがたたかうすがたをみてるって。だからわたしはみなきゃいけないの」
彼女の声はか細いものの、確かな力がこめられていた。
それをみた揚羽は微笑を浮かべる。
「強いなその子は」
「そりゃあ姉さんの娘ですからね。十分肝が据わってますよ」
「フッ、そうだな……」
揚羽と百代は再び千李と鉄心の戦いに視線を戻した。
「顕現の壱・摩利支天!!」
鉄心の声と共に舞台上及び、周りの景色が歪む。
「この温度は……陽炎ね」
「そうじゃ、陽炎のせいでワシの姿がわかるまい?」
「小賢しいことをしてくれるじゃない」
百代であればこの陽炎を大爆発で吹き飛ばしたあと瞬間回復を使って反撃に出るのだろうが、生憎千李はある事情から瞬間回復は使わないことにしているのだ。
何処から鉄心の猛攻が来るかもわからない陽炎の中で千李は全神経を使い周囲を観察する。
……何処から来る? 右か左か上かそれとも下か……。
「顕現の弐・持国天!!」
突如として聞こえた声に千李は反応するも、その方向を向いた瞬間、巨大な拳が千李を襲う。
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