鬼神vs伝説
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じ取った。
「やれやれ、相変わらず化け物じみてやがるなぁおい。だが、それだからこそ戦ってみたくもあるが」
川神の親不孝通りでは黒のワイシャツに袖を通した釈迦堂が川神院の方角を見つめながら、口元をにやりと歪ませていた。
「あれー? ねぇねぇ天ちゃーん。さっきなんか感じなかったー?」
「なんかってなんだよ辰姉?」
工業地帯の一角にある板垣家では辰子が首をかしげながらゲームをしている天使に問うた。
「んーっとなんかピリッとした感じの何かが」
「はぁ? 寝ぼけてたんじゃねーの?」
「そうかなー?」
辰子は最後まで腑に落ちなさそうに首をかしげていた。
しかも千李の気は川神だけではなくさまざまな地に届いたようだ。
「んあ? なんだいまの?」
「ボーっとしてんじゃねぇ皆殺しぃぃぃぃ!!」
「うっせぇ!!」
「ぎょえへー!!」
湘南。海岸で不良たちと喧嘩をしていたマキもピリッとした感覚に襲われていた。
そのせいで動きが止まったマキにモヒカン頭が殴りかかるが見事に星にされた。
「まぁいいや。今はこいつ等蹴散らすだけだし」
マキは大して気にも留めず不良たちに向き直った。
そして同じく湘南でもう一人まきと同じ感覚に襲われているものがいた。
「……」
「? どうかしました愛さん?」
「ん、ああいやなんでもねーよ」
久美子の問いに湘南三大天の一人喧嘩狼、辻堂愛は小さく笑って返した。だがその胸中は、
……なんだ? さっきの感覚。腰越とも違うし……。
先ほどの感覚が気になっているようだった。
そして京都の街角でも一人の少女が千李の気を感じ取っていた。
「おおー。なんかすごいなーこの感覚」
彼女はビクつくこともなく、むしろ楽しそうにその口元を緩めていた。
知的な雰囲気を溢れさせている少女はにこやかなまま妙な歌を口ずさみながら、その場から立ち去った。
そして千李の気は日本を越え世界にも延びていた。
「ほう……。この気はやはりヤツのもののようだ」
彼は老人だ。だが、老人であるにもかかわらず、彼の体は鍛え上げられ服越しにもその隆起した筋肉のすさまじさが感じられる。
そして、彼からも膨大な量の気を感じられる。
彼は口元を歪ませ面白そうに一人ごちた。
「おもしろい。以前会ったときよりもかなり成長したようだな……千李」
千李の名を呼ぶ金髪の老人は笑みを浮かべていた。
この他にも千李の気を感じたものは全世界でいたらしい。それだけ彼女の力はとんでもないものなのだ。
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