鬼神vs伝説
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りでにぎやかに騒いでいた。それを笑いながら見つめている千李の下に、
「お疲れ様です。というわけで、お飲み物をどうぞ」
「ああ、ありがとね京」
京はいつの間にか買っていたのか、スポーツドリンクを千李に手渡した。
「でも、キャップたちが騒ぐのも頷けるよ。私も先輩の戦い見てて手に汗握ったもん」
「ハハッ。それだけ危うかったってことかもね」
「そうともいえるかも」
京はクスリと笑うと由紀江達と話しに行った。
「千姉様おめでとー!!」
「おっとと、ありがとう一子」
飛び込んできた一子の頭を撫でながら千李は苦笑した。
「もー、じーちゃん奥義喰らった時はダメかと思ったけどそこはさすがの千姉様だったわー」
「ギリギリだったけどね。だけど応援してくれてありがとね」
「うん!」
快活な笑みを浮かべながら一子は頷いた。その頭を撫でていると、
「おかあさん!」
舞台の上に上がってきた瑠奈が千李の下までやってきた。
「瑠奈……。途中で声かけてくれてありがと――」
千李がそこまで言ったところで千李の頬からペチン、という可愛らしい音が聞こえた。瑠奈が千李の頬をビンタしたのだ。戦闘が終わり、静かな舞台上にはそれが異様なほど大きく聞こえた。
「おかあさん……やくそくやぶった。けがしないってゆったのにけがしてる!!」
「あー……っとこれはそのなんというか……。すみませんでした……」
痛いところを突かれ千李は頬を掻きつつも、数秒後には瑠奈のかもし出す異様な威圧に負け頭を下げた。
だが頭を下げた先から聞こえてきたのは瑠奈の小さな笑い声だった。
「ありゃ? 瑠奈怒ってないの?」
「おこってないよ。へんなこといってゴメンねおかあさん。ほんとうはすっごくかっこよかったよ! おかあさんのたたかってるところ!!」
瑠奈は先ほどとは打って変って人懐っこい笑みを浮かべながら千李の頭を撫でている。
小さく柔らかい手が自らの頭をなでるのが気持ちが良いのか千李は満足げな笑みを浮かべている。と、そこへ、
「すばらしい死合いであったな千李! 我からも賞賛の言葉を送ろう!! 見事だったぞ!!」
揚羽が胸のところで腕を組みながら高らかに宣言していた。
「ありがとうございます。揚羽さん」
瑠奈を自身の膝にちょこんと乗せながら千李は礼を述べる。
「うむ! 小十郎、お前も勉強になったのではないか?」
「はい! ……実際のところはあまり見えていませんでしたが……」
「この愚か者があああ!!」
「申し訳ありません!! 揚羽様ああああ!!」
小十郎の聞こえるか聞こえないかという呟きを聞き取った揚羽は小十郎
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