第五十五話 刃の使い方その十八
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」
「君は戦えればそれでよかったんじゃないのかな」
「戦い方がある」
美学めいたものを出しての言葉だった。
「そんな戦いには興味はない」
「そういうことなんだね」
「そうだ、では俺は帰る」
また踵を返してはいないがもう心はそうなっていた。
「今度の機会にだな」
「会えばその時に」
「倒す」
こう言ってそうしてだった。
加藤はその場を後にした、後の二人も。
スペンサーもこう王に言った。
「では私もこれで」
「今はだね」
「はい、これで失礼します」
「何か予定とは随分j違ってるけれど」
「帰って夕食にします」
微笑んで言うことだった。
「日本の食事を楽しみます」
「日本の食事ね。あれもいいね」
「和食はお好きですか」
「美味しいものなら何でもね」
好きだと答える王だった。
「だから和食も食べるよ」
「そうですか」
「料理人だしその研究は欠かしていないよ」
そうした意味でも食べているというのだ、料理人にとっては食べるということ自体が仕事の一環になるのだ。
「そうしてるからね」
「料理人ですか」
「広東料理のね。よかったら今度店に来るといいよ」
「丁度収入も入った」
加藤は黄金の棒を持ちながら言った。
「店の名前を教えてくれるか」
「子美というんだよ」
「杜甫の字ですね」
スペンサーはその店の名前からすぐに答えた。
「いい名前ですね」
「そうだよね。中華街にあるからね」
来るといいというのだ。
「待ってるよ」
「では時間があれば」
「行かせてもらう」
二人はそれぞれ王に言った、そしてだった。
今は黄金の棒をそれぞれ持って戦場を後にした。何時の間にかスフィンクスも姿を消しており後には誰も残っていなかった。
第五十五話 完
2012・1・7
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