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久遠の神話
第五十五話 刃の使い方その十七

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「貴様の槍以上にだ」
「強いというのか」
「そうなのか」
「そうだ、貴様の炎だが」
 今度はその炎の話になる、見ればその炎は彼の顔や身体を掠めてはいるが傷付けてはいない、そのうえでだった。
 彼はここで言うのだった。
「確かに強い。だが」
「だが、か」
「貴様の力はそれ以上か」
「貴様の力は使っているだけだ」
 ただそれだけだというのだ。
「槍に帯びさせ口から噴く
「それだけか」
「それだけだというのか」
「そうだ、それだけだ」
 こう言うのだった。
「だが俺達は違う」
「俺達、剣士達か」
「貴様等はか」
「使うだけではない」
「では何だ」
「どうだというのだ」
「見るのだ」
 その言葉の瞬間だった、その剣に己の紫jの魔を帯びさせた。
 魔を帯びさせた剣で突き出された中央の槍が突き出されたその先に己の剣をぶつけた、今二つの力が激突した。
 力と力がぶつかる、そして。
 暫く拮抗し衝突していた、だが。 
 やがて魔が勝った、炎は後ろに消された。
 そのうえで槍の穂先が粉々に砕けた、それを見てだった。
 加藤は己の左右にいる二人に言った。
「俺はやった」
「後はですか」
「私達がそれぞれだね」
「好きにするといい」
 彼等に対してはこうした調子だった。
「戦うなり何なりな」
「君はもう少し他人への気配りを考えた方がいいね」
 王は加藤の今の言葉にこう返した。
「どうもね」
「気配りか」
「どうでもいいって感じだけれどね」
「実際にどうでもいい」
 少なくとも己を偽らない加藤だった、今もだった。
「俺は戦えればな」
「戦闘狂だね。まあいいか」
 王もこれ以上言うのをまずは止めた、そのうえで。
 加藤を挟んで向かい側にいるスペンサーに言った。
「まあ私はここで仕掛けるから」
「私もです」
 スペンサーもこう返す。
「それじゃあね」
「やりましょう」
 二人で頷き合いそうしてだった。
 スペンサーは巨大な剣を上から下に一閃させて重力の刃をぶつけた、王はダイアモンドの剣を何倍もの大きさに変えてだった。
 それを横薙ぎにした、そしてだった。 彼等はその剣で怪物を斬った、中央の槍が砕かれそのバランスが崩れた時に。 
 二人は攻撃を浴びせた、これが決め手になった。
 怪物も槍の力を出すが中央での敗北の衝撃で対応も遅れた、それによってだった。
 二人の攻撃をまともに受けてそして。
 遂に動きを止めてこう言った。
「負けだ、俺のな」
「敗北を認めるか」
「見ての通りだ」
 こう加藤に返す。
「俺は貴様等に敗れた」
「最早命が尽きようとしている」
「これで一旦消える」
 また出ては来るが今はだというのだ。
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