第五十五話 刃の使い方その十六
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「わかると思うがな」
「俺達は三人いる」
「それを頭に入れておけ」
こう言ってそれぞれの槍で加藤を集中的に攻めだした、だがそれでも彼はそのフットワークと剣で返す、そしてだった。
互角だった、しかしその互角jのところにだ。
スペンサーと王が参戦した、二人同時に攻撃を左右から繰り出す。
怪物は二本の槍で受ける、しかしだった。
左右の頭がその彼等にこう言うのだった。
「貴様等も加わるか」
「そのうえで俺達を攻めるのか」
「はい、そうさせてもらいます」
「倒させてもらうよ」
二人もそれぞれの頭にこう返す。
「それが戦いですjので」
「遠慮なくね」
「わかった。それではだ
「貴様のその力見せてもらう」
「では行くぞ」
「覚悟しろ」
こう話してそjのうえでだった。
左右の身体も剣士達の相手をはじめた、三人の剣士達はここで共闘する形になったが加藤はこう二人に言った。
「いらないがな」
「貴方の考えはもうわかっています」
「それはね」
二人はそれぞれ左右から真ん中の加藤jに言う。
「その考えは否定しません」
「決して」
そうだというのだ。
「どうかお一人で闘って下さい」
「止めも邪魔もしないよ」
「そうか、ならいい」
加藤もこう返す。
「それならな」
「では私達はこうして」
「二人で戦わせてもらうよ」
言いながらそれぞれの剣を繰り出して戦うのだった。
怪物は劣勢に立った、しかしだった。
ここで彼等はこうも言うのだった。
「こうなっては仕方がないな」
「切り札を出す」
「俺達のな」
「切り札!?」
「というと」
「見るのだ」
中央の頭が言った、そしてだった。
その三本の槍をそれぞれ振る、そして。
その槍達に炎を帯びさせた、そのうえで。
その槍を次々に繰り出して三人を攻める、それはまさに地獄の業火を振りかざす悪鬼だった。
顔も悪鬼そのものだった、その顔で三人に言う。
「さあ、どうだ」
「この槍防げるか」
「貴様等のその剣で」
「しかしだ」
三つの頭の言葉が一つになった。
「槍は剣よりも強い」
「その槍に勝つことは出来ない」
「そのことを言っておこう」
「確かにな」
加藤もこう返す。その槍をかわしながら。
「槍は確かに強い」
「剣よりもな」
「その通りだな」
「そうだ、強い」
そのことは認める、彼にしても。
しかしその顔は死んでいない、冷静なままでの言葉だった。
「それは普通の剣ならばだ」
「何っ、どういうことだ」
「それは」
「俺の剣は普通の剣ではない」
こう言うのだった。今はスペンサー、王のことは考えてはいない。
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