第四十四話 高校の運動会その四
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「それでも山で馬はね」
「ないわよね」
「どう考えても」
「だからあの絵も嘘よね」
「有りないわよね」
「ないわ」
絶対にだというのだ、里香も言い切る。
「大学の乗馬部の人達だってそうでしょ」
「あっ、お馬さん平らなところで乗ってるわよね」
「よく整備された馬の競技場で」
「そうなの、だから私もあの絵を見たことがあるけれど」
その時に何があったかというと。
「本を読んでた時、お家のリビングで読んでたの」
「その時になの」
「おかしいって思ったのね」
「そこにお父さんが通ってそれで言ったのよ」
娘が読んでいるその本を見たというのだ、彼女の父が。
「それですぐにおかしいって言って私に教えてくれたの」
「お馬さんは山には向かないっていうことをなの」
「その時になの」
「お父さん動物が好きだから」
それで知っていたというのだ。
「そこで細かく教えてくれたのよ」
「あの絵がおかしいってことね」
「それをなのね」
「こんな絵を描かせる方がおかしいって」
そこまで至っているというのだ。
「お父さんも前からあの国大嫌いだし」
「というか普通は嫌いよね、あんな国」
「そのまま悪の国だからね」
「好きな人って何処かおかしいでしょ」
「どう考えても」
これが普通の女の子の意見だ、だが日本では長い間一部の政治家や知識人、ジャーナリストは違っていた。
彼等はその国を賛美し中には拉致の実行犯に金を渡していた者すらいる、貰っていたどころではなかったのだ。
だがこの娘達は違う、少なくとも最低限の常識があるからこそ。
「あんな国嫌って当然よ」
「何処がいいんだか」
「この絵だってウケ狙いだしね」
「賛美じゃないから」
風刺の意味合いもあった、何しろ人造人間は敵役であるから。
「もう笑いものにする為だから」555
「だからよね」
「まあ確かにこんな奴日本にいたら嫌だしね」
「絶対に付き合いたくないタイプよ」
こうした話をしながら色も塗っていく、その色もわざと悪趣味な色にしている。
そうして看板を描く里香達だった、里香はその作業の後で部活に出て琴乃達にこのことを話したのだった。
するとだ、彩夏がこう里香に言って来た、それも残念そうな顔で。
「私のクラスもそういう感じでいけばよかったかもね」
「将軍様で?」
「そう、そういう感じでね」
ウケを狙っていけばよかったかも知れないというのだ。
「そうすればよかったかしら」
「そうかもね、うちは格好いいのでいくから」
「格好いいのって?」
「仮面ライダーね、今年の」
言わずと知れた日本を代表する特撮ヒーローに下というのだ。
「新しくはじまる」
「それなの」
「そう、それにしたの」
こう話すのだった。
「格好
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