第六十九話
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第六十九話 転校生が来る日
その日が来た、遂に。
華奈子はその朝に明るい顔で家を出た、そのうえで一緒に通学する美奈子に言うのだった。
「何かもうね」
「落ち着いたみたいね」
「悩んでもね」
仕方ないというのだ。
「もうそれは結論が出たしね」
「占いの結果を見てもよね」
「うん、大丈夫みたいだから」
それでだというのだ。
「明るくいきましょう」
「そうね、それじゃあね」
美奈子も華奈子の言葉に頷く、そうして。
二人で登校していく、二人は今は不安はなかった。
それでクラスでも普通にしていた、だが他のクラスメイト達は違っていた。皆どんな娘なのか不安に感じていたのだ。
それでだ、こうそれぞれ言うのだ。
「不安だよなあ」
「そうよね、ちょっとね」
「一体どんな娘なのか」
「怖くない?」
「嫌な娘だったらね」
それで嫌だというのだ、そして。
その彼等を見てもだ、美奈子はこう言うのだった。
「そんなに気にすることないのにね」
「そうそう、それこそヒトラーみたいな娘でもないと」
「いや、ヒトラーみたいな人はそうそういないから」
「美奈子が占ったのなら大丈夫だしね」
そうそう、それじゃあね」
こう話してだった、そして。
華奈子と美奈子は落ち着いていた、そうしたことを話してだった。
華奈子の方からだ、美奈子にこう言った。
「ねえ、転校生の娘が来るまでトランプする?」
「トランプ?」
「そう、トランプを使った魔法の練習する?投げたり操ったり」
「手裏剣みたいにするのね」
「そうしてみる?」
「そうね、それじゃあね」
美奈子は華奈子の言葉に乗って実際にトランプを出した、そしてだった。
トランプを一枚宙に浮かしてみた、だがそれは心許無い感じであり美奈子は操りながら不安になってしまった。
華奈子も同じ様にしてみた、しかし華奈子も同じく心許無い動きだった。
それでだ、二人で言うのだった。
「こんなのじゃないわよね」
「多分違うと思うわ」
「もっとしっかりとしたものじゃないとね」
「よくないわね」
こう話すのだった、そして。
二人で共に操ってみる、しかし最初だからであろうか。
二人は幾らしてみても今はトランプをあやふかにしか動かすことしか出来なかった、それで途中で止めてであった。
「これからもね」
「練習ね」
そう話すのだった、二人で。
第六十九話 完
2013・9・9
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