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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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勇者の狂宴
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った。
パキパキ
骨を鳴らしたような音が断続的に響き、切断面に変化が起こった。
始めに骨、次に筋繊維、皮膚、そして最後に元着ていた黒いズボン。
下半身が、復活した。
「復活した………?《回復》……、いや違うか。《防護》か」
《防護》、つまり敵からの攻撃の否定。
そして、並ぶ攻撃痕の完全な否定。
「これで……、大丈夫だぜ」
「………たとえ下半身を回復させても、痛覚は立派に残るんだよ」
そう言いながらも、レンの口角はにぃっと持ち上がっていた。
焼け爛れたような笑みが、遠目に見てもはっきりと浮かんでいる。
ジャキッ、と魔槍の切っ先が真っ直ぐに向けられた。
「
虚構
(
ホロウ
)
《
撃滅
(
レーゼ
)
》」
ヴヴッ!!という音とともに大量の虚無の弾丸が殺到してくる。
その全てを、白き剣一本で捌ききるのは不可能だ。キリトは両の脚に力を入れ、側転をしながら虚弾を回避する。
全てを呑み込み、地殻を食い尽くしながら、砲弾が地面に命中する。
それを何とか全て避けきり、再加速。縦横無尽に駆け巡りながら、弾幕が途切れたところを待ち、跳び上がった。
途端に、真正面から撃ち出る虚弾。
しかし、黒衣のスプリガンはそれを《潔白》の名を冠する純白の刀身で受け止めた。異音が発されるが、それを無視しながら、キリトは翅を震わせて前方への推進力をブーストさせる。
「レン─────ッッ!!!」
「キリトオォォ───ッ!!」
切っ先の点と点が一部のズレなく衝突した。
これまでで一番の衝撃が放射線状に広がり、重力が、引力が、万物の法則が狂い始めた。
建物や建築物が地殻ごと剥ぎ取られて宙に浮き、途轍もないエネルギーの余波に巻き込まれて分子の塵となって消えていく。
「「おぉああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっっっ──────ッッッ!!!!」」
正と正、負と負の意思が、激突して衝突する。
両者の意志の強さは互角だった。
愛する者を取り返したいという、その意思は。
だが────
ピシ、パキ、メキ、ミシ
両者の得物は、限界だった。
意思のエネルギーを圧縮し、形を成す外殻にヒビが入り、そして
アルヴヘイム中に轟くような衝撃と、轟音を撒き散らした。
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