第9話 死闘の幕開け
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いを詰め、右拳を放つ。それをクルトは身体を半回転させ回避。そしてカウンターのタイミングでヨゼフの腹に膝蹴りを叩き込む。
「ぐふぅッ!」
口から胃液を吐き出し、くの字にからだを折り曲げる。
クルトはその場で飛び上がり、逆の足で、ヨゼフの頭を上から蹴った。
―――ドゴンッ!!
蹴りが後頭部に当たり、鈍い音を立てた後、ヨゼフの頭が地面に叩きつけられ凄まじい衝突音を鳴らす。
そして遂にヨゼフは動かなくなった。
「やっぱ攻撃力はアリアには及ばないか…」
そんな事を呟きながら、クルトはヨゼフの手足を手錠で縛る。
そしてヨゼフを通路の隅に転がして、先へ進む為走り出した。
(ちょっと時間掛かっちまったな…)
自分の戦闘内容に反省しながらクルトは急ぐのだった。
* * *
「「あ」」
クルトとアリアが合流したのは、クルトの闘いが終わってから暫くしてだった。
「ちょっと遅いわよ!何してたの!?」
クルトよりも早く終わったのであろうアリアが声を荒げる。
額に血管を浮き上がらせるアリアは非常に迫力があるが、クルトはそれをどこ吹く風といわんばかりに涼しげな顔で受け流す。
「そんなに怒るな。でも―――」
「???―――でも何よ?」
「いや、まさかお前がそんなに俺に会いたがってたとは知らなかった。と思ってな」
「ふぇ!?な、なななななに言ってんのよあんたは!?しょ、しょんなわけないりゃないりょよ!?」
「言えてないぞ」
「う、うるさいうるさいうるさーい!!」
からかわれ怒るアリアに、クルトは素早く近づき、彼女の頭に自分の手をのせた。
そして優しくアリアの頭を撫でる。
「まあでも、前会った時に比べてとんでもなく強くなったなお前」
無意識下で笑みを浮かべるクルトを顔をぽーっとした表情で見つめるアリア。そしてはっと自分が何をされているか気付いた瞬間彼女の顔は真っ赤に染まる。
バッとクルトの手を振り払い、ズザザ!という音が出そうな勢いで後ろに下がる。
「い、いきなり頭撫でるとか何なのあんた!?バカなの!?死ぬの!?」
そう言いながらも、アリアの表情はとてつもなく奇妙なものだ。
(ヘンテコな顔してんなあいつ)
それはクルトが疑問に思う程。
その表情を伝えるならば、嬉しさの余りニヤケそうになる自分の顔を必死に押し留め、その代わりに怒っているように取り繕うとしている。である。
(うぅ〜!何よあいつ!反則よ反則!いきなり頭撫でるなんて…ッ!この天然ジゴロッ!ハーレム体質ッ!攻略王ッ!)
内心もクルトの罵倒を怠らないアリア。彼女らしいといえば彼女らしい。
が、そんな
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