暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―
戦闘校舎のフェニックス
第29話
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
っきブーステッドギアが唯一の武器だと宣言している。
「『そんなことわかってんだよ!』」
 イッセーは言い返しながらクロスカウンターでライザーの顔面を殴る。
 先ほどと変わらない殴り合い。だが、変化はあった。
「『そのてい―――カハッ!』」
 ライザーが血を吐き、驚愕している。
 イッセーは左手を開き、握っていた物を見せた。
「十字架か」
 アーシアから借りてきたものだろう。
「十字架を赤龍帝の力で高めたようですわね」
 普通の十字架なら大したダメージにならないだろうが力を譲渡された十字架ならダメージを与えられる。
「ですが、十字架は悪魔の体を激しく痛めつけますわ。ましてやその力を高められている。ドラゴンの鎧越しとはいえ、赤龍帝自身にもダメージがあるはずですわ」
 レイヴェルの疑問は、ライザーが答えを見つけた。
「『まさか、籠手に宿るドラゴンに、自分の腕を差し出したのか!?』」
「『ドラゴンの腕なら、悪魔の弱点は関係ないからな!』」
 それがあの力の代償と言う事か。
「正気ですか!?そのようなことをすれば二度と元の腕には戻りませんのよ!?」
「百も承知だろう。言ったはずだ。『やると決めたら止まらない。必要なら腕の一本。最悪命すら賭ける』と」
「・・・よろしいのですの?相棒がドラゴンになるかもしれないというのに」
「それを言ったら、あいつは人間から悪魔になったんだ。今さらだ。悪魔からなんになろうと変わらない。何になろうと相棒だからな」
 種族が変わろうと兵藤一誠という存在は変わらない。それが変わるのであればぶちのめして止めてやる。
「『正気か!?そんなことをすれば二度と元の腕に戻らないんだぞ!?」
 ライザーも同じ問いをする辺り兄妹なんだな。
 イッセーは左手を強く握りながら言い返した。
「『だからどうした!腕一本で部長を取り返せるなら安いもんだ!!』」
 排出口から魔力を噴出させライザーに突撃した。
 だが、それも途中まで。
 イッセーの鎧が無くなり、学生服と左腕の籠手の状態に戻った。
 勢い余り、倒れこんだ。
「『なっ!?』」
 イッセーも驚愕している。予想よりも解除が早かったのか。
 イッセーの基礎ができていなかったからか、それとも配分を誤ったか。そもそも対価が足りなかったか。
 足りなかったのならすぐにでも次の対価を払い鎧を装着するだろう。それをしない所を見るともう鎧は装着できないと見た方がいい。
 イッセーの元に近寄ったライザーはイッセーの襟元を掴み持ち上げた。ちょうどイッセーが宙に浮くように。
「『少し前までミラにすら劣っていた兵士がここまでよくやった。正直ここまでやれるとは思っていなかった。ドラゴンの力、存分に思い知ったよ』」
 真剣な表情で言っている。本気で思っているんだろう。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ