【僕たちは】癒やし系男子【なんだそう】 第2話
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私立桜美学園 食堂 -----
周りに注目されながらも、そんな事を気にせずに食事をする2人の少年がいた。
1人は犬伏思音。
ミートスパゲッティを美味しそうに食べている。
彼は何でも美味しそうに食べるので(もちろん本当に美味しいが)、コック達から気に入られている。
現に今日も、おまけにプリンをもらってご機嫌である。
「みんなには内緒だよ」と言われていたが、みんなが2人に注目しているため、瑠偉に自慢していた時点でバレバレであった。
もう1人は猫平瑠偉。
彼の口の周りについているソースを、時たま紙ナプキンでぬぐっている。
そんな彼は和食が好きで、今日はうな重を頼んでいた。 思音とは違い、食べ方がきれいで上品だ。
「ほら、また口についてる」
「ん〜」
瑠偉が紙ナプキンで汚れをとってやっている。
学園の腐男子から見たら、ぬぐってもぬぐってもソースが口についていて、むしろ世話を焼かれたいからつけているようにしか見えない。
「ねぇねぇ、瑠偉のうな重ちょっとちょうだい?」
思音がこてんと首をかしげて上目遣いをする。 すかさず周りの生徒がその姿を携帯におさめる。
この可愛らしいおねだりも毎回のことである。
「いいよ。はい、あーん」
一口サイズにしたうなぎを、思音の口元にもっていく。
あまり表情が動かない瑠偉だが、この時はいつも満面の笑顔だ。
なんでも新聞部のインタビューによると『目を閉じて小さい口を開けている思音が可愛くて、ひな鳥に餌付けしている気分で楽しい』らしい。
「んん〜!おいひい〜! じゃあ、お返しにオレのプリンあげる」
はい、と言いながらプリンを差し出す思音に満面の笑みで口を開ける瑠偉。
その様子を見ている生徒も、腐男子一同も(もっとやれ!)と思っていた。
そんなこんなで食べ終わった2人は出口に向かいながら、歩く。
「おいしかったねぇ〜」
「夕飯も食堂で食べるの?」
そういいながら、さり気なく手を繋ぐ思音はさすがとしか言い様が無い。
「うーん。食堂もいいけど、オレは瑠偉の作ったごはんが食べたいな〜」
「じゃあ帰りにスーパー寄ってこうか」
仲睦まじく話しながら出て行った2人に、腐男子集団もとい「いぬねこんびをくっつけ隊」は
(なんであれで付き合ってないんだ!?)と話し合い(もしかしたら恋心を友情と勘違いしているのでは)という結果になり(じゃあ俺達が気づかせてあげよう!)という事になったのだった。
【第2話】end
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