第二章その十一
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まずいな・・・」
本郷が呟く。それを聞いてかアンリがにやりと笑う。
「死ね」
アンリが満面の笑みでもって言った時だった。一旦上空へ上がった蝙蝠達の群れに白い光が沸き起こった。
「なっ、グレネードか!?」
役へ目をやる。しかし彼はそれを使っていない。
周りを見渡す。三人の後ろにその光の主がいた。
「間に合いましたな」
デッセイ警部だった。その右手には大型の拳銃が握られている。
「警部・・・・・・」
三人は警部の方を振り向いた。それに対し警部はいつもの穏やかな微笑みで返した。
「及ばずながら愛銃と共に参戦させて頂きます」
そう言うと次々に銃を放つ。蝙蝠達は光の中に消えていった。
「おのれっ、ならば」
口笛を吹く。すると床から狼達が浮き出て来た。
「食い殺されるがいい」
狼達が飛び掛る。そこへ一つの影がやって来た。
影は狼の一匹に鉄拳を浴びせた。そしてその隣の狼に横蹴りを与えた。たちまち二匹の血に飢えた野獣が石に戻る。
「俺もお忘れなく」
アラーニャ巡査長だった。三人の方へ顔を向け悪戯っぽくウインクして見せた。
「言ったでしょ、俺は日本文化のマニアだって。空手もやってるんですよ」
「そういえばそうだったね」
役が苦笑した。
「腕には自身があります。こんな犬ころ何匹いようと敵じゃありませんよ」
警部と巡査長の援軍が加わり五人となった。その五人はアンリの使い魔達を次々と倒していった。やがて五人の周りには小石しか転がらない状況となった。
「さて、次はどう来る?」
次第に間合いを詰めつつ本郷が言った。
「ぐうう・・・・・・」
アンリの顔が怒りと憎悪に染まっていく。五人に対し牙を向け飛び掛る体勢に移る。
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