暁 〜小説投稿サイト〜
SecretBeast(シークレットビースト)
本編 第一部
三章 「真心の隣に友情はあったりする」
第十三話「授業風景 『力比べ』」 
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にもこんな凄い奴が、よし今日のところは、私の負けだ。だが私もまだ本気はだしてない。あらためてライバルと認めよう」
「はっは、なんだ、結構素直に負けを認めるんだな。よしだがこれでお昼代が浮いたな。みんな、帰りになんかおごってやろう!」
「あれえ、明日香。水泳部はいいの?今夏だから追い込み凄いんでしょ?」
「あ、やっべえ。豊村、すまん私、水泳部なんだ。まあ、おごりはまた今度で」
「ああ、いいぞ。楽しみにしてるよ」
「あ、あの伊佐さん。帰りに私の部活覗いて行きませんか?」
「ん、友ちゃんは剣道部だっけ。なんで?」
「その、あのたぶん、わたしの勘なんですか、伊佐さん、剣道でも私と張り合えるくらい強い気がしてきたんです。わたし、今、わたしと互角か、それ以上の相手との真剣勝負を相手がいなくて、しにくくて。もう、わたしと力量の互角のひとは少なくなっちゃって」
「私でいいのか?うーん剣道か、やってみたことないからな」
「他流試合でもいいんです。私と試合してください」
「よし、いいだろう!存分にやろう」
「はい!」
「はー、女子はいいのー。なあ、賢ちゃん、でも高ちゃんはあの豊村はんと恋人同士なんやなー、なんかわて、昔のことを思い出すわー。神社に来てくれた。可愛い女の子がわての寂れた神社に結構上等なお稲荷はん差し出してくれてなー、あん時は、涙がぽろぽろでたもんだよー」
「へーなんだ、高ちゃんは、実家が神社なのか?」
「えー、ああー!いや、ま、まあな、でも実家は大阪やし、賢ちゃんを招待できないのが心苦しいやわー」
「お稲荷さんってことは稲荷神社だよな?それにしてもおまえって狐みたいな、顔してるよな。細目でニコニコしてて、妙に鼻が高いんだよなー。なんか昔助けた。狐のこと思い出すんだよなー」
「へへー、狐かいな、どこで助けてやったんや?」
「ああ、あの時、ちょうど大阪の方に親父が出張で家族で引越ししたんだよ。一時的にな。だから関西弁はけっこう懐かしいんだよなー」
「そうかー、きっとその狐さんは、ものすごく恩に思ってるでー、しってたか?狐ちゅーのは、けっこう義理がたいんや。人間に恩を作ったなら化けてでも恩返しするもんなんやでー。最近では数もめっきり減ってのー。じゃから、命を助けてもらったらどこまでも着いてって恩返しするんや」
 そうして体育は終わった。石塚先生は最後の号令の時、真っ青になっていた。明日香がやらかしたことがいまだに信じられんのだ。
 校舎のほうでも大きな地震があったと騒ぎになっていたくらいだ。


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