本編 第一部
三章 「真心の隣に友情はあったりする」
第十三話「授業風景 『力比べ』」
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をかけて勝負だ」
「ほう、すまないな。わたしは弁当を自分で作ってくるのでお昼代なぞ、もちあわせていないぞ?」
「なにーこいつ完璧超人かー。じゃあ、あんたは弁当。わたしはお昼代を賭けよう」
「いいだろう。種目は?」
「ふふ、もちろん。重量上げに決まってるじゃないか?さて、大口叩いた割りに250kgなんて貧弱だな」
「ああ、私は、自分でも力の加減をしないとどこまでもいってしまうのでな?じゃあ、ちょっと本気をだそう。先生、300kgにもう300s乗せたいのですが?」
「おいおい、だから300sのしかないって」
「大丈夫です、300sを二つ用意してくれれば」
「ば、馬鹿をいうな!二つ一緒なんてどんな危険なことか分かっているのか、それはもう重量上げという種目ではないぞ」
「まあ、見ててください。石塚先生は、もとオリンピック選手ですよね。教えてあげますよ。ほんとうの体の使い方を」
カチーン!石塚の中でなにかが切れた。
「ほう、豊村はスポーツなどお遊びに過ぎないというのか?いいだろう。あげてみせろよ。いっておくがその程度では私は驚かん。わたしは、選手を辞めてからも鍛錬をし続けた。いっておくが私の専門の体操では、おまえでも敵わない自負がある」
「ふふ、見ていてくださいよ」
豊村は、300sを二つ、一つづつ片手で軽々と上げて見せた。それも、人差し指と親指ではさんでいるだけだ。
「おい、明日香これよりも凄いものを見せてくれるんだろうな」
「ああ、おまえがここまでやるとはな、だがまだ私のほうが上だ。私は専門家に調べてもらったとき、普通の人間の筋肉構造をはるかに超越した強度を誇るらしい。でそれでわたしも、頂上を目指したとき、自分でも果てしなすぎて、止めたんだ。みろ、これが私の80パーセントの力だ」
そのしなやか黒豹のような日焼けした肉体が、校舎のそこに手を入れた。すると校舎は、基礎をそっくりくっつけたまま、垂直に浮き上がった。ふつう、こんな重量のものを持ち上げたなら、掴んだ間逆のところは、浮き上がらず、物体は傾くはずだ。だが校舎は平行のまま、垂直に持ち上がっていく。
「おお!校舎が持ち上がった!」
「よっと!」
ズズーン!校舎は、明日香の肩まで上がったとみるとそれをひょいともと合ったところに下ろした。造作もないという感じである。アクションが巨大すぎて、彼女の体が運動系女子と言ってもありえない。このしなやかな肉体美をほこる女の子のどこにそんな力が。
「どうだ、私は、これでまだ80パーセントだ。だが、本気になったら自分でもどこまで行くかわらねえんだ。さて、勝負を続けるか?豊村?」
しかもこれで80パーセントとかどこかの妖怪みたいなことをいってても彼女の体は女性らしいしなやかさをたたえている。
「うん、すごい、まるで漫画をみてるみたいだ。私以外
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