第六十七話 勝利か敗北か
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なものとなっていく。
「今だ!」
『なッ、何!?』
キラはSEEDを覚醒させ、一瞬でデスティニーインパルスの大剣であるエクスカリバーを叩き切る。まさかの攻撃にパイロットは狼狽えつつも、距離を取って両肩の収束ビームを放った。だが、覚醒している今のキラはその攻撃を完全に見切り、避けつつも接近し、ビームサーベルで両肩のビーム砲をも切り裂く。
『くそ、何だよコイツ!?この距離から詰めるだと、化け物め!』
まだ武器は失っていないとばかりに両腕にあるビームブーメランを抜いてサーベルのように長く展開する。エネルギーが大きく消費されるものの、残されている武装が少ないのだから仕方がないのだ。
『これでッ!』
「その程度の攻撃――――意味がないって事ぐらい、分かるだろに!」
振り下ろされるビームブーメランをビームシールドで防ぎ、そのまま腰のレールガンで撃ち抜いて、吹き飛ばす。
『カハッ……!?』
コックピットに直接攻撃を受けた衝撃によってシートが揺れ、かなりの負荷が強いられる。それでもVPS装甲によって撃墜を免れたことで反撃とばかりにビームブーメランを投げつけた。撃墜は無理でも腕の一本はと思っていたが、そのような甘い考えは当然とばかりにうち捨てられる。
『まだ終わっていない!フリーダムゥッ――――!!』
「だったら、倒してでも――――押し通る!!」
月面に着陸し、近くにいたワイルドダガーの残骸からビームサーベルと思われる武器を取り上げ、データを打ち込んで展開させる。出力の規格があっていないこともありビームサーベルの展開部分から紫電が迸るが、そのような些事に気にする余裕はないとばかりにストライクフリーダムに向かって、最もエネルギーを食うであろう光の翼を展開させながら突撃する。
『ウオオォォォ――――!』
「ハアッ!!」
交差は一瞬――――ワイルドダガーのビームサーベルを振りかぶったデスティニーインパルスの渾身の一撃は確実にストライクフリーダムの軌道を読み切ったものだった。しかし、SEEDを覚醒させたキラはそれをあっさりと上回る。左手に持っていたビームサーベルを投げ捨て、デスティニーインパルスの右手首を掴んだのだ。
そしてそのまま残っている方の右手のビームサーベルで切り裂こうとする。デスティニーインパルスも左手で咄嗟にビームシールドを展開するが、キラはコックピットを狙わず、腕を切り裂いたために展開した意味はなかった。
『ガッ……だが、俺の勝ちだ……』
「な!しまった!?」
戦闘ではデスティニーインパルスのパイロットの完敗だった。だが、戦略で彼は勝利を収めた。レクイエムが今、発射された。
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