番外編
黒の剣士:7
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たギルドだ」
「……ああ、あの貧乏な連中ね」
「そのリーダーだった奴がな、最前線のゲート広場で泣きながら仇討ちしてくれる奴を探してたんだよ」
殺気を含ませた鋭い声を出して言う
「でもな?その男は依頼を受けた俺たちに向かって、あんたを殺してくれ。とは言わなかった。『黒鉄宮の牢獄に入れてくれ』……そういってたよ。」
「―――あんたに、奴の気持ちがわかるか?」
「解んないわよ、そんなこと」
ロザリアは興味もなさそうに言う
「何よ、馬鹿みたいね正義派ぶって。ここで人を殺したってほんとにその人が死ぬ根拠無いし。そんなんで現実に戻った時罪になるわけないわよ。だいたい戻れるかどうかも解んないのにさ、正義とか法律とか、笑っちゃうわよね。あたしそうゆう奴が一番嫌い。この世界に妙な理屈持ち込む連中がね」
「ほう……?」
「……で?あんたその死に損ないの言う事真に受けて、アタシらを探してたわけだ。ヒマな人だねー。ま、あんたのまいた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるけど……でもさぁ、たった三人でどうにかなるとでも思ってんの……?」
そう言うとロザリアは唇に笑みを浮かべながら、右手を掲げて素早く二度宙を煽ぐ。
途端に向こう岸の両脇の木立が激しく揺れ、茂みの中から次々に人影が現れた。そのほとんどは紛れも無いオレンジ色だ。
その数、十五前後
……いや、気付いていたがな
待ち伏せに気がつかなれば確実に向こう岸で囲まれていただろう数である。
その十五人のうち、二人のグリーンがいて、そのうち一人の男は、昨晩シリカ達の部屋を盗み聞きしていた男の逃げ去る後ろ姿と同じ。針山の様なとがった髪形をしていた。
十五人の盗賊は、皆派手な格好をした男性プレイヤーだった。
全身に銀のアクセサリーやサブ装備をじゃらじゃらとぶら下げている。ニヤニヤとした笑いを浮かべる男たちは、シリカの体に粘つくような視線を投げかけている。
その視線に激しい嫌悪感を感じて、シリカはキリトのコートの裏に姿を隠し、小声で囁きかける。
「き……キリトさん、ナオさん……人数が多すぎます。脱出しないと……」
「大丈夫、俺かナオが逃げろ、というまで、結晶を用意してそこで見ていればいいよ」
穏やかな声でそうシリカに答えると、シリカの頭にポン、と手を置き、そのまますたすたと端に向かって歩き出した。
「そういうこった。そこで見てな」
俺もそう言いながらシリカの頭をポンポン、と叩くとキリトの方へ向かっていく
……とそこにシリカの大声が響いた
「キリトさん――!!ナオさん―――!!」
その時
「ん……?キリト?ナオ…?」
不意にオレンジの一人が呟く
「その恰好…盾なしの剣士―――。≪黒の剣士≫、それに…」
そして
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