番外編
黒の剣士:7
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帰り道の小川の橋を渡ろうとしたその時、索敵スキルにプレイヤー反応があった
キリトも気付いていたらしく、急いで渡ろうとしていたシリカの肩をつかむと一際低く張った声で言った
「−そこで待ち伏せている奴、出てこいよ」
「え…!?」
その数秒後、がさりという音がして木の葉の中からプレイヤーが出てきた
カーソルはグリーンではあるが
「ろ…ロザリアさん…!?何でこんなところに…!?」
現れたプレイヤーは散々俺たちをからかっていたプレイヤー、ロザリアだった
ロザリアは唇の片側を釣り上げた笑いを浮かべ言う
「アタシのハイディングを見破るなんて、なかなか高い策敵スキルね、剣士サン。あなどってたかしら?」
そうしてシリカの方に視線を動かす
「その様子だと首尾よく≪プネウマの花≫をゲットできたみたいね。おめでと、シリカちゃん」
シリカはその意図が読めないようで、数歩後ずさる
嫌な気配を流しやがって
「早速その花を渡してちょうだい」
「…!?な…何を言っているの…!?」
そこで、今まで無言だった俺は口を開く
「そうはいかないな、ロザリア。いや、オレンジギルド≪タイタンズハンド≫のリーダーさん」
それを聞いたロザリアの眉がピクリ、と跳ね上がり唇から笑みが消える
「え…でも、だって…ロザリアさんは、グリーン…」
「オレンジギルドと言っても、全員がオレンジでない場合も多いんだ。グリーンのメンバーが街で獲物を見繕ってパーティに紛れ、待ち伏せポイントに誘導する」
「昨夜の盗聴野郎もあいつの仲間だろう」
「そ…そんな…。じゃあ、この二週間、一緒のパーティにいたのは…」
ロザリアは毒々しい笑みを浮かべながら言う
「そうよ、あのパーティの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりお金が貯まっておいしくなるのを待ってたの。本当なら今日にでもヤッちゃう予定だったんだけど……一番楽しみな獲物だったアンタが抜けちゃうから、どうしようかと思ってたら、なんかレアアイテム取りに行くって言うじゃない。《プネウマの花》って今が旬だから、とってもいい相場なのよね。やっぱり情報収集は大事よねー」
そしてロザリアは言葉を切りこちらに視線を向け肩をすくめた
「でもそこの剣士サン達、そこまで解っていながらノコノコその子に付き合うなんて、馬鹿?それとも本当に体でたらしこまれちゃったの?」
その言葉に反応したシリカが短剣を抜こうとしたが、キリトがその肩を掴む
「いいや、どっちでもないよ」
「そうだな。俺たちもアンタを探してたのさ、ロザリア」
「−どういうことかしら?」
「あんた、十日前に三十八層で≪シルバーフラグス≫って言うギルドを襲ったよな?」
「メンバー四人が殺され、リーダーだけが脱出し
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