空白期編
チェンジ
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ていた表情はやっぱり仮面で、本当はずっと泣くのを我慢していたのだろう。
大人だから。
母親だから。
子供に情けない姿をみせまいと、ずっと平気そうな仮面をつけていた。
「心配してくれてありがとう、母さん。オレはもう、大丈夫だから」
泣きじゃくる母さんを抱きしめ返しながら、年相応の親子らしい時間を過ごした。
母さんが泣いていたのはほんの少しの間で、すぐにいつもの様子に戻る。
「あー、恥ずかしい。陽龍、恥ずかしい」
「その言い方、なんかオレが恥ずかしい人みたいに聞こえるんだけど、母さん」
「いいのよ、それで。じゃあ陽龍、私はもう戻るわ。あとで美愛たちが来るか、もしくは連絡がくると思うわ。それまではゆっくりと休みなさい」
そう言って母さんは病室を出て・・・。
「あ、あと魔法に関することは極力しないこと」
いく直前に注意を言い、それから出ていった。
そこまで信用ないのかよ・・・。
<いや、ヒリューだったらあり得るかと>
否定はしない。
<してください>
だが、断る。
「・・・それにしたって、暇だな。ヤミ、なんか本ない?」
<ないです。でも、前にミアが私に入れた曲がありますが・・・聞きます?>
「てか何やってんだよ、美愛のやつ・・・あと聞く」
そしてヤミは鈍く光り、少しすると何かが聞こえてくる。
これは・・・。
『君と夏の終わり、将来の夢、大きな希望忘れない。十年後の八月また出会えると信じて。最高の思い出を・・・』
あの日見○花の名前を僕達は○だ知らない・・・だと!?
しかも自分で歌ってる!なに、ようつべさんにでも投稿するつもりだったの?
『ビパップな浮遊感、夜が次第に乱反射して ツービートで光って、たまには愚痴っちゃって良いかな?』
しかも急に曲チェンジ。
なにげに上手いから文句が言えないし。
「・・・ヤミ、ストップ。チェンジ」
<しかし今ので終了です>
不愉快です。
「寝る。何かあったら起こしてくれ」
オレはヤミにそれだけ言って目を閉じた。
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