空白期編
チェンジ
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翌日。
オレが目を覚ますと目の前にあったのは真っ白な天井。
そして独特な消毒液のような匂い。
「ああ、そういえば・・・」
そこでやっとオレがミッドの病院にいることを思い出す。
「ヤミ、起動てるか?」
<はい、ヒリュー>
オレが話しかけると、いつものように返事をしてくれる。
・・・と思っていたんだけど。
「なんか不機嫌?」
いつもの機械的な声だが、どこか不機嫌そうに聞こえた。
<そんなことありません。それよりヒリュー、なんの用ですか?>
「いや、今何時かなーって。ミッドと地球、両方の日付、時間を教えてくれ」
<了解しました。現在のミッドは十二月二十五日の午前七時、地球は十二月二十五日の午前十時です>
ふむ、仕事があったのは二十四日だからまだ翌日か・・・って、え?
「地球では十時!?寝すぎじゃね!?」
いつもより少し遅いくらいならまだしも、十時!?
しかも今頃だけど二十五日って学校あるじゃん!
<そんなことよりヒリュー、もうすぐイオリ様が来られるかと>
「母さんが?」
ヤミに言われてようやくまた来ると言っていたことを思い出す。
「何時に来るとか言われてなかったよな?」
<先ほど連絡が来ました>
勝手にみんなや。
別にヤミだからいいけど。
<噂をすれば影、といったところでしょうか。イオリ様がいらっしゃったようです>
ヤミが言うと、ちょうどドアが開く。
「もう起きていたのね」
そして母さんが部屋に入ってくる。
「ついさっき起きた」
「そう。寝起きで悪いけど、早速今の陽龍の状態を話すわ」
母さんはそう言って話し始めた。
ガジェットの刃が背中から奥へ入り込み、結果として骨、内蔵に傷。
地面に落ちた時に全身打撲。
そしてなにより、魔法が使えなくなるかもしれないという、この状況。
「ねえ陽龍、あなたはどうしたい?」
昨日からの何かを押さえつけている、悲しそうな顔をしながら、言う。
「オレは・・・オレは、また絶対に魔法を使う。使ってみせる」
そして絶対、スカリエッティを捕まえる。
あの時の借りを返してやる。
そう決めたから。
「どう・・・して?あなたは!・・・あなたの身体は、もうボロボロなのに、どうしてそんなことが言えるの!?わからない・・・」
母さんはそう言ってずっと貯めていた涙を流す。
ずっとこらえていた涙を流した。
「・・・オレが魔法を使うことで誰かが助かるのなら、答えは決まってる」
絶対に助けて見せる。
そんなの。
「当たり前じゃんか」
「ひ・・・りゅう・・・!」
未だにベッドの上から動けないオレを母さんは思いっきり抱きしめる。
昨日今日と見せ
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