第122話 十常侍誅殺 前編
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と行動されていました。身の危険を感じた張譲を初めてとした宦官達が何進様を亡き者としようと考えること自明の理です。その前例はあります」
「党個の禁ですわね」
麗羽の言葉に桂花(荀ケ)は軽く頷く。麗羽は険しい表情を崩さず腕を組み考え込み出した。
「宦官である証拠はありませんわ」
「はい。ですが宮中の者が関わってることは確かです。何進様が死んで得するのは宦官のみです。このことが洛中に広まれば、何進派は浮き足立ち、そこを宦官派に突かれます。この状態を収集できる者は現在都におりません」
「そうですわね。私達は狼に狩られる羊と言ったところかしら。頭を潰されては虎も動けませんわね」
「麗羽様、我らは窮地に立っております。何進様の額には逆賊の文字を刻んでおります。これは我らへの警告を通り越し、宣戦布告です。張譲は我らを逆賊として誅殺する腹づもりなのでしょう。張譲の息のかかった諸候が都に雪崩込んでくる可能性が高いです。だからこそ我らは直ぐに都落ちをするべきです」
桂花(荀ケ)は語気を強め麗羽を説得するが、麗羽は都落ちを決断しようとしなかった。
「袁家の私兵を集めれるだけ集めなさい」
麗羽(袁紹)は凍り付くような声で桂花(荀ケ)に命令を出した。
「は? そのようなことをしている場合ではありません。今は都を去るべきです」
桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)の態度に怯むことなく、彼女に反論する。
「おだまりなさい! 何進様のあのような姿を目にして、おめおめと都落ちなどできる訳がありません。張譲、いえ宦官どもを一人残らず皆殺しにしなければ気がすみませんわ!」
麗羽(袁紹)の瞳は憎悪の炎満ち、仇を睨みつけるように宮廷のある方角を睨んだ。
「お気持ちはわかります。ここ今に至っては一先ず都と距離を置くしかありません。我らでは禁軍を掌握する術がないのです。ここは辛抱ください」
桂花は麗羽(袁紹)の考えを改めさせようと必死に説得した。だが、麗羽(袁紹)は桂花(荀ケ)の言葉に耳を貸すつもりがないようだった。
「桂花(荀ケ)、麗羽(袁紹)お姉ちゃんの好きにさせて欲しいのだ」
「鈴々(張飛)、何を言っているの。事態は急を要するのよ。私達だけでなく、麗羽様も粛正の対象に入る可能性もあるのよ」
「そう決まった訳じゃないんだろ。姫が望むようにさせてやりたい」
「桂花さん(荀ケ)、麗羽(袁紹)様のお気の済むままでにさせてあげてください。お願いします」
桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)を擁護する鈴々(張飛)、猪々子(文醜)、斗詩(顔良)の表情を順に見ると深いため息をついた。
「本気なの? わかったわ」
桂花(荀ケ)は腹を括ったのか溜息をつくも麗羽(袁紹)に向き直る。
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