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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第122話 十常侍誅殺 前編
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、斗詩(文醜)は何進屋敷を訪問した。訪問するなり屋敷の一番奥の部屋に案内された。そこで変わり果てた何進と対面することになった。何進の生首は箱に安置され、麗羽(袁紹)は臆することなく箱に近づいた。箱の中身を見た麗羽は体勢を崩した。

 「か、か何進様、おいたわしや」

 麗羽(袁紹)は何進の変わり果てた姿を目の前にして震えている。彼女の独白は力無く最後は消え入りそうな声だった。彼女は何進と公私ともに交遊があったこともあり突然の彼女の悲惨な死はショックだったようだ。

 「麗羽(袁紹)様!」

 猫耳フードを被った若い女、桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)の直ぐ後ろにかけよると膝を着き声を掛けた。しかし、麗羽(袁紹)には彼女の声が聞こえないように全く反応しない。麗羽は嗚咽を零し涙していた。

 「麗羽(袁紹)様! 何進様の死にお嘆きとのことと存じますが、事態は急を要します。直ぐに劉将軍に早馬を出され、我らも準備が整い次第、冀州へ都落ちをいたしましょう」

 麗羽(袁紹)が反応しない様子を見るや桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)に再び声を掛けた。桂花(荀ケ)の表情は緊張している様子だった。彼女にとっても何進の急死は衝撃だったが、それ以上に今後起こるであろう都の混乱を懸念していた。彼女は臣下として主の身を守るため急ぎ都落ちしたいと考えているようだった。

 「桂花(荀ケ)さん」
 「は、はい!」

 桂花(荀ケ)は驚いた。先ほどまで呆然と突っ伏していた麗羽(袁紹)が幽鬼のように立ち上がり、桂花(荀ケ)を見下ろす姿勢で口を開いた。

 「何進様を亡き者にした者は何者ですの」

 麗羽は家宰を厳しい表情で睨みつける。

 「袁中軍校尉、申し訳ございません。犯人は未だ分かっておりません。ただ、日の出ぬ早朝に宮廷より何皇后の使いと名乗る者が参りまして、何進様は少数の供回りを連れ出かけられました」
 「何皇后がどうして、そのような刻限に使者を使わしたのです?」
 「麗羽様、何皇后が直接使者を出していようといまいと背後には張譲がいることは間違いありません。急ごしらえの偽物の使者であれば、何進様が騙されるはずがございません。ですが、宮廷の万事に通ず宦官ならば、いかようにも事を成すは易きと存じます」

 桂花(荀ケ)は麗羽と家宰の会話に割り込んできた。麗羽(袁紹)の厳しい表情は一段と険しいものに変わった。

 「桂花さん、張譲が関わっていることは間違いないのですね?」
 「はい。何進様に露見しない偽物の使者を用意することが可能な者は限られます。何皇后の身辺に控える者、もしくは近しい者です。であれば限られます。何皇后の侍女が何進様を害す利はありません。あるとすれば、侍女でなく宦官だと思われます。何進様、地方の諸候に招集をかけ宦官を粛正しよう
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