第122話 十常侍誅殺 前編
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
何進屋敷の門前??????
門前の掃除をするために出てきた屋敷の下男が奇妙なものに気づいた。それは白い布に包まれた何か。
「ひっ! ちち血っ!」
下男はその包みが気になり触れて固まる。包みの地面に面した部分が赤黒く汚れ濡れていた。彼は震える手で包みを開く。その瞬間、彼は言葉を失い真っ青な表情になった。
「あああ、ひぇえええええ」
下男は悲鳴を上げ腰を抜かした。その声を聞きつけて暫くすると屋敷の者達が門前に集まってきた。皆一様に包みの周りに集まる中、その中身を見るなり皆驚愕した。ある者は気絶し、ある者は腰を抜かし、ある者達は互いに抱き合い、ただただ包みの中身に驚愕していた。包みの中身は何進の生首、変わり果てた彼女の額には逆賊の二文字が刻まれていた。
麗羽(袁紹)屋敷??????
「麗羽(袁紹)様、桂花(荀ケ)にございます」
就寝中の麗羽(袁紹)を呼ぶ声が扉越しに聞こえてくる。その声は緊迫した声だった。麗羽(袁紹)は自分を呼ぶ声に覚醒し眠そうな眼を擦りながら、寝床からゆっくりと起き上がる。
「このような早朝に何ですの」
「麗羽(袁紹)様、火急の要件にございます。入室してもよろしいでしょうか?」
「桂花(荀ケ)さん? よろしくてよ」
桂花(荀ケ)と名乗る女はそそくさと入室してきた。彼女の表情は緊迫と動揺が混在したような表情で余程の内容であることを直ぐに察することができた。麗羽の足下に駆け寄ると拱手をし両膝を着き他人に聞かれることを憚るように口を開いた。
「何進様が暗殺されました」
麗羽(袁紹)は桂花(荀ケ)の報告に体を硬直させていた。
「どういうことですの!」
麗羽(袁紹)は一拍置き、桂花(荀ケ)に掴み掛かり詰問した。
「麗羽(袁紹)様、落ち着いてください。 私も事態は把握しておりません。何進様の屋敷の家宰より急ぎ足を運んで欲しいと使者が参っております。取り急ぎ、お仕度をお願いいたします」
「わかりましたわ。直ぐ着替えますから、外に出ていなさい」
桂花(荀ケ)が部屋の外に出るのを確認することなく、麗羽(袁紹)は着替えを始める。彼女は動揺していた。
『何進様が暗殺されるなんて・・・・・・』
『許せない!』
『許せない!』
『正宗様、あなたはこうなることを知っていましたの?』
麗羽(袁紹)は着替えをする手を一瞬休め何もない壁を哀しい表情で見つめる。
『いいえ。こうなることは未来を知らずとも考えられること。何進様の周囲に注意を払っておくべきでしたわ』
麗羽(袁紹)は頭を振った。
何進屋敷??????
麗羽(袁紹)、桂花(荀ケ)、鈴々(張飛)、猪々子(文醜)
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ