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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第34話 「税制変更許可」
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「いけません、いけない趣味に目覚めてしまいそうです」

 マルガレータさん、はあはあしないで下さい。
 それとヘンな事をわたしの振りをして、言わないように。
 これだからショタはっ!!

「あの〜皇太子殿下、宜しいか?」
「お、おお。すまんすまん。二人揃ってどうした?」

 埒が開かないと思ったのか、ブラウンシュヴァイク公爵がおずおずと声を掛けてきました。
 いけませんね。すっかり忘れていました。
 そしてフレーゲル男爵の呆けたような表情。
 こそこそっと小声で、宰相府はいつもこんな感じなのかと聞いてきます。

「いつもはもう少しマシですよ。今日はラインハルト様が宰相閣下に、じゃれついているだけです」
「ラインハルト様?」
「はい。あそこで宰相閣下に泣かされている人です」
「え? ええーっ!! 彼女は侍女ではなかったのか?」

 よほどショックが大きかったのか、愕然といった表情を浮かべていますね。
 知らなかったのでしょうか?

 ■宰相府 マルガレータ・フォン・ヴァルテンブルグ■

 ふははははははははははははははは。
 あのフレーゲル男爵の表情。
 おもしろい。
 おもしろいです。
 これだから、貴族達の観察はやめられません。
 女装したラインハルトくんを、女の子だと勘違いしていたんですねー。
 いや〜楽しいです。
 それにしてもめったに宰相府に顔を出さない、フレーゲル男爵ですからねー。
 ちっ、そうと分かっていたら、わたし達の手で盛り上げるだけ盛り上げて、落としてやるべきでした。うぬぬ無念。
 いえ今からでも遅くはありません。
 男の子でもいい。と思うところまで、追い詰めてやりましょう。
 そしてラインハルトくんに振られればいいんです。
 人の不幸は蜜の味。
 それが恋愛関係だったりしたら、さいこーです。
 ラインハルトくんとジークとフレーゲル男爵の三角関係。
 思わず笑ってしまうぐらい、楽しい見世物になるでしょう。ぐふふ、ゆかいゆかい。

「ちょいとごめんよ〜」
「い、いたい」

 皇太子殿下に頭を叩かれてしまいました。
 怖い顔で睨んでいます。
 わたしの考えを見抜かれてしまいましたか。
 ちっ、まったく聡い人です。

「そういうのは感心せんぞ」
「皇太子殿下は、妙なところで固いんですから……」
「人の不幸は蜜の味というのが、感心せんと言っている」

 ハッ、なるほどなるほど。よく分かりました。
 構わん、やれ。という事ですね。
 さすがは皇太子殿下、よく分かっていらっしゃる。
 そうですね、人様を不幸にするのは良くありませんが……。
 恋愛問題は仕方がありません。
 不幸な結果になる事もあるでしょう。
 ええ、ええ、わたしは全力を
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