第34話 「税制変更許可」
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「それでは困ります。士官学校には、わたしの領内から来ている者もいるのです。帝国改革の旗手として、活躍しているブラウンシュヴァイク公爵家の一門なのですから、これではまるでわたし一人が、改革に反対しているように見えてしまいます」
それはまずいな。
確かにわしはフレーゲルの後見人だが、当人の許可なく税率を変更するなど問題があろう。わしとフレーゲルの間だけなら問題は無いが。
しかし……。これが前例となって、勝手に後見人が税率を変更する者が現れては困る。
うむむ。どうしたものか……?
「伯父上!!」
「まあ、待て。皇太子殿下にご相談してみよう。話はその後だ」
■宰相府 ジークフリード・キルヒアイス■
ブラウンシュヴァイク公爵がフレーゲル男爵をつれて、宰相府へとやってきました。
ラインハルト様は、一瞬ビクッとしておられましたが、いったいどうしたというのでしょうか?
ノイエ・サンスーシの後宮から逃げてきたラインハルト様が、宰相閣下を相手に愚痴を零していたときの事です。
「ひどいんだぞ。ベーネミュンデ侯爵夫人はっ!!」
「ほほ〜う」
ベーネミュンデ侯爵夫人とアンネローゼ様の趣味が合致していたらしく。似たようなドレスを突きつけられていたそうです。
ラインハルト様の怒りが宰相閣下へと、向かいました。
ぽかぽか宰相閣下の肩を叩いています。
体格に差がありますからねー。その上、宰相閣下はとても強いですし。
以前に見た宰相閣下と不良貴族のケンカは凄かったです。
なによりもあの不良貴族が、皇太子の顔を覚えていなかった事に驚きました。
ほんと〜にバカな貴族というものも、存在しているのだと思い知った有り様です。
「いいかジーク。スープレックスは投げるのではなく。落とす」
そして見事なブリッジを描いて、宰相閣下は不良貴族を落としてしまわれた……。
いったいどこであんな技を身につけられたのか?
手技、足技に続いて、投げ技まで使いこなすとは、お見事と言わざるを得ません。
あなたはいったい何者ですか?
「銀河帝国皇太子だ」
その言葉に呆れかえってしまったのは、秘密です。
ああ、いけませんね。ついつい目の前の光景に以前の事を思い出してしまいました。
ぽかぽか叩いているラインハルト様の、右手の指先を摘んだ宰相閣下が、ついっと動かすとそれだけでラインハルト様はくるりと体を一回転させ、右手の関節を極められた。
「いたいいたい。え〜い、はなせー!!」
「ジーク、よく見てろよ。人間の関節の稼動範囲と反応は誰しも同じだ。指先一つでも、関節は極められる」
「はいっ」
「二人してなに言ってるんだー!!」
ラインハルト様がなみだ目になっていますね。
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