第1部:学祭前
第2話『秋雨』
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完全に、忘れることができた。
「俺は、伊藤誠」
「伊藤誠君ですね。本当に、待っていてください!」
張りのある声で、唯は答えた。
1人になってから、唯は歓喜の悲鳴を上げた。
「や……やったあっ……! 誠君が……マコちゃんが、私のライブを楽しみにしているって…………!」
冷静に考えれば、それは礼儀としての方便とわかるようなものだ。しかも初めて話した人間に、勝手にあだ名をつけるのもなれなれしい。
しかしまあ、『恋は盲目』というやつであり、まして天然ボケの多い唯である。
「やっぱり、思えば思われる、なんだね」
昂然として踵を返し、唯は学校へ戻っていった。
続く
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