12話 黒木 七実side
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ような音が聞こえた。
音の発生源を探してみれば、遠くの職員席から誰かが立ち上がっているのが見えた。
普段から顔を見る機会が少なく、いまいちパッとしない初老の男、つまり校長が立ち上がっていた。
「そいつを…………、そいつを殺せぇええええ!!」
「「「「う…………、うぉぉおおおお!!」」」」
「おいおいおい、マジかよ!?」
目を疑いたくなることに、校長の飛ばした激に反応して教師が男女問わず、京介に襲いかかろうと生徒や椅子を蹴散らして突撃し始める。
これは流石に見過ごすことができず、京介の元へ駆け寄ろうとする。
だがさっき椅子から転がり落ちた生徒達が邪魔で、思うように前に進めない。
「死ねぇえええ!!」
半分も進んでいないうちに先頭の教師が京介に拳を振りかぶって襲いかかる。
「京介っ!!」
叫びもむなしく2つの影が交差し、片方が軽々と宙を舞った。
頭が真っ白になる。
必死に滑り込むように落下地点に走る。
「なんだよ黒木、今忙しいんですけどー」
「い?」
落下地点についたちょうどその時、なんか幻聴が聞こえた。
視線を向けてみれば、そこには襲い来る教師をちぎっては投げ、ちぎっては投げしている京介の姿があった。
じゃあ今まさに墜落してきているのは……………。
丸々とした体。
あちこちに明らかに必要以上についた脂肪。
テカテカと照明を反射する顔の脂が眩しい。
そんな脂ぎったおっさんが俺めがけて落ちてくる。
ゾクリ、おっさんに押し潰されるビジョンに背筋が粟立つ。
「う、うおぉおあおあ!」
「おぶあ!!」
落下地点を変えるために、固く握った拳でぶん殴ったけど、俺は悪くないと思う。
そのかいあって、なんとか押し潰される様なことはなく、脂タップリの教師は他の生徒の上に墜落した。
「あっぶねー!!」
「いやはや、あと少しだったのに惜しいねえ」
横を見ると教師をボコり終えた京介が立っていた。
「おいこら、京介。てめえ今の狙って投げただろ」
「Ahーーhaーー☆」
「肯定だな、肯定だなこの野郎!?」
「えいや」
「こぺっ!?」
掴みかかろうとすると、一瞬で頸動脈をキメられた。
「さーて帰るぞー」
首根っこを掴まれてズルズルと引きずられる。
「オーイ、林道起きろー」
「ん……………? ああ、終わったか?」
「いや、寝てたのかよ!」
席が離れててわからなかったが、この様子だと爆睡していたようだ。
「んで? 徹夜するほど今回のテイルズ系はよかったわけ?」
「まあな、オープニングやストーリーは勿論、新システムも心が踊るな。しかしまあ…
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