12話 黒木 七実side
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の趣味を持つ友人は大切だということですね!』
館内のざわめきに負けないように、京介が大声を張り上げる。
「ち、違う!! そいつの言ってることはでたらめだ!!」
ざわめきが収まらないなか数学の方が立ち上がり、必死に否定する。
はっきり言って信じるやつはいない。数学の教師は女子をいやらしい目で見ることで有名だからだ。
『何をおっしゃいますか○○先生! あなたは○先生と暇さえあれば盗撮写真を見て、女子の体について熱く語り合っていたではありませんか!』
「しょしょ、証拠があるのか!!」
正直、そこまで狼狽えているのに言い逃れができると思っているのは純粋に凄いと思う。
顔は青ざめてるし、京介に向けられた指は震えているし、今にもこぼれ落ちそうな程に目は見開かれている。
『証拠ですかぁ、そうですねえ○○先生の指紋がベッタリ付着した盗撮用のカメラとかならありますよ』
「な……………ぁ」
ヒョイッと京介が取り出したのは、警察が使ってそうな袋に密閉された小型のカメラ。
それに見覚えがあったのか、今度こそ数学教師は凍りついた。
『まあ、後は2人が女子の体について熱く語り合っているテープもありますが、これは女子の方々の名前や、先生方の個人的な女子の裸体の評価等が入っているので、ここで流すのはやめときます。なので○先生、自分は証拠がないから大丈夫みたいな顔しても無駄ですからね』
その死刑宣告に、今度は現国教師が項垂れる。
「う…………、うぉぉおおおお!!」
だが現国教師はそれだけで終わらなかった。
雄叫びと共に駆け出し、ステージに這い上がり京介に掴みかかったのだ。
『はい、ドーン☆』
「ぎゃあ!」
だが京介が演台を突き飛ばすと、現国教師はステージから落下し、演台に押し潰された。
『いやはや無様ですねえ、見ろ! ○○先生がゴミのようだ!! みたいなかんじですねえ』
大分口調が素に戻ってきた京介が、ステージから落ちた演台に飛び乗る。
衝撃が伝わったのか、現国教師が痛みにうめくが全員の目は京介に釘付けだ。
『さあ、まだまだ先生方のエピソードを語りたいのですが、時間も差し迫って来ていますので、これぐらいにしておきましょう』
その発言に教師陣から安堵のため息が漏れる。
『どうせマスコミ各社に郵送してますし、気になる方は明日の朝刊でも見てくださいねー』
残念なことに、一条 京介という男はそんな彼らを見逃すほど甘くはない。
『あ、でもまあ、最後に1つだけ』
恐らく本当に、単純に思い付きなのだろう咳払いをすると京介は素の口調で話始める。
『やっぱり俺があんた達教師から教わったことっていうと、団結力だろうね』
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