11話 林道 五也side
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をかけられ、首がどんどん下を向いていく。
隣を見れば、武藤も同じように頭を押さえつけられている。
はねのけたいとこだが、子供の体ではそれも叶わない。
「お、お兄ちゃん、やりすぎだよ」
「なのは、そうは言うがな…………」
その光景を見かねたなのはが止めに入る。妹に弱いシスコンならば、あと数分もしないうちに解放されるだろう。
「そうなの! お兄ちゃんやめてほしいの!(裏声)」
「「……………」」
「おうぐおおおおおお!?」
バカが1人自爆した。
「くっ、馬鹿力が」
解放された俺は痛む首を回しながらぼやいた。
「五也くん、大丈夫?」
「俺はなんとか、だが……………」
「らめえええ! 首がもげちゃううぅうううう!!(裏声)」
「1人大分ヤバい気がする」
いまだに裏声の武藤は、首の角度が人間の限界に挑戦している。
どうやら裏声はなのはの真似のつもりらしい。
「……………私あんな声じゃないもん」
声真似がお気に召さなかったらしく、可愛らしく頬を膨らませた。
「まあ、いいか。それよりUNOのルールでも確認しておくか」
武藤は放置することを決め、UNOの箱へと手を伸ばす。
「ん?」
そこで箱がまるで新品のように、ビニールのラッピングがされていることに気づいた。
「……………」
新品のようにというより、明らかに新品だった。
どうやらシスコンは家でトランプが見つからず、外まで買いに行ったようだ。
それにしても、どこまで行ったか定かではないがたった数分で、今や下火のUNOを買ってくるとは……………このシスコンただのシスコンではない。
「しかし、UNOか、ずいぶん久しぶりだな」
「そうなの?」
「ああ、普段友人と集まった時は主にゲームだからな」
スマブラシリーズにカービィのエアライド、その他にも色々なゲームで、醜い本気の潰し合いをしたものだ。
「……………」
「どうしたんだ?」
返事がないことを不思議に思って、なのはの方を向いてみればその顔はどことなく陰のある暗いものになっていた。
「あ、ううん、なんでもないの」
見られていることに気づいたのか、その表情はすぐにひっこんでしまった。
見間違い、そう判断するほど鈍感ではないつもりだ。
「言いたいことがあるならハッキリ言った方がいい」
「えっ?」
とは言え、相手の心を覗けるわけでもなく、正面から訪ねることしかできないのだが。
「ええっと……………、その……………」
答えずらそうに、言葉を探すなのはを見てこのまま問い続けるべきか、ここは無理をせずに引くべきか悩む。
正直こ
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