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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
狂った者達
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など、どこにも────」
制止の声を掛けるカグラとリーファ。
だが、それをまるごと押し潰すほどの、鬼神のごとき声で、レンは叫び返す。
「あれが一人だけしか通過できない物だったら!?アスナねーちゃんとマイ、どっちかしか選べなかったら!?キリトにーちゃんはきっと、アスナねーちゃんを選ぶ!!そうだ!絶対そうだ!!」
無茶苦茶だ、とレンは思う。
自分が言っているのは、ただの仮定の話だけでしかない。
だが、そんな小さな可能性でも、レンは信じられない。いや、信じたくない。
カグラとリーファの眼が見開かれる。リーファに至っては、狂気に当てられたのか、身体が小刻みに震えている。
口角が引き千切れたように持ち上がる。
その表情に、ハッと気が付いたようにカグラが慌てて近寄ってくる。
「いけません、レン!それだけは!!」
ゴッ!!
音が炸裂した。
真っ黒な恒星のような、漆黒の光が溢れ出た。
それはみる間に空間を侵食し、因果律を喰い尽くし始める。
ボッ、ボッ、ボッ、と蝋燭の火が灯るような音が断続的に響く。レンの周囲にの空間に、黒い銛が何本も、何十本も出現した。
「
魔女狩
(
ソルシエール
)
《
空隙
(
ログウィール
)
》」
ミサイルのように、銛が勢いよく突撃する。それに追うように、小柄な身体が飛び出す。レン!とその背中に声が掛かるが、無視する。
「六王第三席《冥界の覇王》レンホウ!奪ってみせる!!」
二人の勇者が、激突した。
激突の余波は、アルンの美しい街並みを少なくない規模で壊した。
竜巻でも起こったかのように、プレイヤーやNPCが宙に巻き上げられ、引き裂かれていく。
キリトの大剣が眩いばかりの白と黒の過剰光が包み込み、振るわれる。
レンの放った心意技は全て、霧となって雲散霧消した。
───予想以上に強い………!
ギュラッ、という重めの金属音とともにワイヤーが空中に広がり、それを漆黒の過剰光が包み込む。それが意思を持った蛇のように、狼のように空を走り抜け、攻撃対象に襲い掛かる。
「はっ、あああぁぁぁぁっっっ!!!《
奪命撃
(
ヴォーパル・ストライク
)
》ッッ!!」
真紅の光が眼を焼き、巨大な鉄杭というべきものがレンのワイヤーを蹴散らしながら向かってくる。
それをレンは、身体全体に目一杯の力を込め、ひねるようにして回避した。頬に掠ったエネルギーが熱感として痛覚を苛む。
「
魔女狩
(
ソルシエール
)
《
断罪
(
クレイア
)
》!!」
ゾン、と弾かれたワイヤーに目を見張るほどの黒き光が集まる。その先端が蠢いて空間を引き裂き、地を割りながら一人の剣士へと走る。
だが、その脇をすり抜け、神速の勢いで
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