序章 出会い
第2話 仲間とは・・・?
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生まれて初めて来る街。顔見知りもいないし、初めて目にするものばかり。しかも・・・たった1人。こんな絶望のどん底に落ちたのは久しぶりだ。
俺は一度駅のベンチに腰を下ろし、リュックサックから母さんが入れてくれたお茶が入った銀色の魔法瓶を取り出す。
母『困った時はまず、お茶を飲んで落ち着きなさい。』
昔母さんが言ってた事を思い出す。ほんの7時間前に家を出たばかりなのに、故郷が恋しくなってきた。そんな絶望と切なさに冷え切った心に、母さんが入れてくれた熱いお茶が心の奥深くまで染み渡った。
お茶を飲み終えて、魔法瓶をリュックサックに入れ、これからどうするかを頭を抱えてしばらく考え込む・・・が、残念な事に何も思いつかない。
シ「だぁーーーーーっ!考えてても時間の無駄だァッ!この街で情報収集をやるしかねぇっ!」
駅に俺の声が響き渡った。駅にいた人達は全員驚いた表情で俺の方を見ている。俺は小さく頭を下げると、リュックサックを掴み取り、駅を出た。
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駅を出て宛も無く歩いていると、
シ「うわぁ〜〜〜!」
目の前の光景に、俺は目を輝かせた。
それはこの街の商店街で、肉類や魚介類はもちろん、野菜や果物、衣類や日用品などもたくさん売られていた。中でも俺が一番興味を沸いたのは、魔法屋だった。
恐る恐る1軒の魔法屋に入ってみると、様々な魔法グッズが所狭しと並んで売られていた。柄に飾りが施された銀色の剣や、分厚いのから浅いの、上級者レベルから初級者レベルまでの魔道書などもたくさんあった。どうやらこの街は、魔法が盛んな商業都市みたいだ。
俺は情報収集の為、立ち寄った魔法屋の主人に聞いてみた。
シ「あの〜、実は俺旅をしているんですけど・・・」
主「おぉ〜!こんなに若いというのにそれはそれは。旅の魔道士ですかな?」
シ「いえ、魔道士ではないんですが・・・」
そう、残念ながら俺は魔道士ではない。
「18歳のちょっと苦しい生活で育った『十二支』の“子”の血を持つ10代目だ」・・・何て事は言えないし、それ以前に信じてもらえる訳が無いし、魔法なんて使える訳もない。だが、魔法屋の主人は俺の話に全く聞く耳を持たずに、勝手に話を進めていく。
主「旅の魔道士ならば魔法屋がオススメだ。ささ、ゆっくり見ていって下され。」
誇らしげの魔法屋の主人の顔を見てると、このまま黙って店を出て行くのも悪い気がした。せっかくだから、俺はもうちょっとここにいる事にした。
当然ながら、リンドウ村には魔法を使える人なんて誰
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