その涙を見ない為に
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で構成された拳がソルを襲う。
最後にエルフマンが一撃加え、顔がパンパンに腫れた状態のソルがガクッと倒れた。
そしてそのままエルフマンは巨人の腕に向かっていく。
アルカは広げた拳の1つに乗り、ミラに向かって伸びていった。
「エルフマン・・・ねぇ・・・私の声・・・聞こえてる!?」
かつてリサーナを失った時、エルフマンは理性を失くしていた。
ミラは必死で呼びかけるが、エルフマンは答えない。
「あなた・・・まさか、また理性を失くして・・・」
ガッと獣と化したエルフマンが巨人の手に乗る。
アルカもミラに近づく。
「エルフマン・・・」
がばっと獣の手がミラに向かい、ミラはビクッと体を震わせる。
が、次の瞬間ミラは獣の腕の中にいた。
エルフマンはミラを抱えていない方の腕と両足で巨人の手を無理矢理開き、それを手伝うようにアルカの残った2つの拳が巨人の手を広げる。
「ごめんな、姉ちゃん・・・こんな姿、2度と見たくなかっただろ?コイツをうまく操れなかったせいで、リサーナは・・・」
「あなた・・・理性が・・・」
「でも・・・これしかねぇと思ったんだ。姉ちゃんや妖精の尻尾を守るには、俺が強くなるしか・・・」
「あぁ・・・俺もだ。ミラやギルドを守るには、強くなるしか・・・」
3人は巨人の手の3本ある指の1本に立つ。
「リサーナはあなた達のせいで死んだんじゃないのよ・・・あの時だってあなた達は必死に私達を守ろうとして・・・」
ミラは笑みを浮かべる。
「守れなかったんだ・・・」
「リサーナは死んじまった」
「私は生きてるわ」
ミラがエルフマンに手を当て、寄り添う。
「姉ちゃん・・・」
「ミラ・・・」
「3人で決めたじゃない。あの子の分まで生きようって・・・」
それを聞いたエルフマンは目を潤ませ、堪える様に目を閉じ、だけど堪えられずに涙を流した。
アルカは堪えず涙を流し、無事を確認するようにミラを抱きしめる。
「姉ちゃあぁん・・・無事でよかったぁぅぁあぁぅぁあっ!」
「良かった・・・無事で・・・ホント良かった・・・!」
エルフマンは男泣き・・・ではなく、漢泣きし、アルカは静かに涙を流す。
「もう・・・2人が泣いてどうするの!」
ミラは困ったように言い、笑みを浮かべた。
「ありがとね・・・エルフマン、アルカ」
そう呟いた。
その時、ミラは何かに気づいたように目を見開く。
「ど、どうした!?姉ちゃん!」
「魔法陣を書く速度が・・・遅くなってるわ」
「マジか!?」
「なぜかしら・・・」
ミラの言う通り、ファントムMk2が禁忌魔法、煉獄砕破の魔法陣を書く速度が落ちている。
(四元素魔
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