その涙を見ない為に
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「石膏の奏鳴曲!」
「がはあああっ!」
巨大な拳がエルフマンを殴り、巨人の壁ごと壊す。
「エルフマン!」
「あなたにも最大の魔法でとどめをさしましょうか・・・」
先ほどの様にソルが手を動かし、アルカは構える。
「石膏の奏鳴曲!」
「ちっ・・・大火奏鳴曲!」
それを見様見真似で発動するアルカ。
が、所詮は見様見真似。本家に敵うはずもなく。
「ぐああああっ!」
一応防御の体勢はとったものの、巨大な拳に殴られる。
「これがエレメント4でございます」
ソルが呟く。
エルフマンは薄く目を開き、アルカは痛みを堪えながら起き上ろうとし・・・ほぼ同時にその光景を見て目を見開いた。
「な・・・何だ・・・アレは・・・」
「ミ・・・ラ・・・?」
その視線の先にいたのは、巨人の手に捕まって辛そうに呻くミラの姿。
「エ・・・エルフマン・・・アルカ・・・」
その様子を見た2人は口を開き、叫ぶ。
「姉ちゃん!」
「ミラ!」
そう。
ミラとエルフマン、リサーナは3兄弟なのだ。
ちなみにクロスがミラの事を『ミラジェーン』と呼ぶのは、エルフマンの『ストラウス』と区別がつかなくなるから、である。
「ほう・・・姉上・・・というと・・・あの方がかつて『魔人』と恐れられたミラジェーン様ですかな?おやおや・・・すっかり魔力は衰えてしまって・・・可哀想に・・・」
「テメェ等・・・ミラに何しやがる!」
「彼女には我々を欺いた罰を受けてもらってます。じきに潰れてしまうでしょう・・・」
「に・・・逃げて・・・」
ミラが苦しそうに呟く。
「姉ちゃん・・・何だよ・・・コレ・・・!姉ちゃんを放せぇっ!・・・ぐぁあっ!」
ソルがエルフマンの頭を踏みつける。
「やめて!私はどうなってもいいから!エルフマンとアルカだけは・・・!」
ミラが叫ぶ。
「また繰り返すのかね?妹様の次は姉上を目の前で失うとは・・・あなたにとっては恋人様を失うとは、何とも可哀想に・・・」
「エルフマン!アルカ!逃げてっ!お願いっ!」
ミラの目に涙が浮かんでいる。
そしてエルフマンは踏まれている頭をゆっくりと上げた。
「な・・・何でだよ・・・もう姉ちゃんの涙は見ねぇって誓ったのに、何で泣いてんだよ!」
「エルフマン・・・」
「誰が泣かしたんだ!」
そう叫ぶとエルフマンは立ち上がり、先ほどの全身接収の構えを取る。
「何!?」
「ああああああああ・・・!」
「ダメよ!あなた・・・片腕しか使えないじゃない!」
「そうそう・・・!?」
ソルは笑みを浮かべてミラの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ