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八条学園怪異譚
第四十四話 学園の魔女その八
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「私達とも普通に接してくれますし」
「社交的ではあるんですね」
「色々と謎の多い人ですけれどね」
 百五十歳かそれ以上ではないかと言われている、実際の年齢すらわからない様な人物だ。尚既婚者で今も奥さんと一緒に住んでいることも知られている。
「人と人のお付き合いも出来る方なんですね」
「そうしたことも」
「そう、妖怪さんや幽霊さんともお付き合いがあってね」
 彼等との交際でも社交性を発揮しているというのだ。
「だから部活の顧問も出来るのよ」
「そうなんですね」
「博士も」
「そうなんです。色々と教えてもらっています」
 ここでまた七生子が話してきた。やはりにこにことした顔で。
「何かにつけて」
「そうなんですね」
「博士に」
「そうです、ですが」
「ですが?」
「ですがっていいますと」
「魔法陣を実際に使って悪魔を召喚することは」
 それはというのだ、魔術に携わる者ならば必須と言っていい悪魔召喚はというと。
「していないです」
「あっ、ひょっとして学園内の結界ですか」
「それを使うからですね」
「最近では生贄を使わない召喚もありますけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「例えば鶏肉を買ってそれを捧げればいいですから」
「そういうのでも出来るんですね、生贄って」
「スーパーの鶏肉でも」
「出来ることは出来ますよ」
 最近の召喚術では、というのだ。
「一応は。ですが学園の中は結界がありますから」
「問題のある悪魔は召喚出来ないんですね」
「そういうことですね」
「そうなんです。悪魔は元々はキリスト教以外の神々でして」
 メソポタミアのヘブライ民族以外の民族の神々が異端とされて魔神になったのだ、レメゲトンの七十二柱の魔神達にしてもそうだ。
「中には荒ぶる性質の悪魔もいます」
「ああ、悪魔って言っても悪い奴とは限らないからね」
 茉莉也は神社の娘として二人にこのことを注意した。
「そこ覚えておいてね」
「あれですか?RPGで言う戒律ですか?」
「戒律が違うと仲間に出来る悪魔が違うとか」
 二人は最近のゲームやライトノベルから得た知識から話す。
「そういうことですか?」
「その辺りは」
「まあ大体そんなところね」
「悪魔はキリスト教以外の宗教の神々と考えて下さい」
 茉莉也と七生子はそれぞれこう二人に話す。
「神道だと皆神様になるわよ」
「ただ悪魔とレッテルを張られただけなんです」
「どっかのゲームでもあったけれどきっかけがあれば本来の姿に戻ったりするから」
「元々天使だった魔神が言うならぐれた場合もありますから」」
 こう話すのだった。
「別に取り立てて悪い存在じゃないのよ」
「あくまでキリスト教の見方では、です」
 特に七生子が言うのだった、このことを。

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