暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode3 いつも
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
になってしまっているだけなのだが、アカリから見ればそれはカイトがアカリを優しく守っていることに他ならない。

と、ここまで来てもアカリから動き出そうとは思えない。やはり、積極的に斬ろうとすることは出来ない。なんとか上手く仲良くなれないだろうかと考えてしまう。

目の前のモンスターの名は《Riverside Wolf》。親に英語教室に行かせてもらっていたからアカリにもなんとなくは読める。

「えっと、リバーサイド…うぉるふ、かなぁ?」


たどたどしく発音した名前に《川辺の狼》の名をしたクエストボスが反応した。ここまでアカリが剣を油断なく構え続けていたために攻撃されることはなかったが、もうそろそろAIに制御されているモンスターの我慢は限界に来そうだ。

(仲良くなるには……ニックネームだっ!)

「うぉる!おすわりっ!」

先に動いたのはアカリだった。《うぉる》なる謎のあだ名を叫び剣から片手を離してジェスチャーも交えながらコロにしていたように指示を出した。

しかし、逆にそれが合図であったかのようにリバーサイドウルフも動き出した。脇を閉め短剣から突きをすぐ繰り出せるようにしながらアカリに向かってダッシュする。

この時、目をつむりそうになったアカリを不思議な感覚が襲った。視界の中で妙にそこだけはっきりと見える短剣を凝視した。

次の瞬間、キンッという金属同士のぶつかる音が聞こえた。クエストボスのダッシュの勢いも乗せた突きをアカリの両手剣が跳ね上げたのだ。

「ググゥ?」

自分の剣が弾かれたことに不満げな声を漏らしたリバーサイドウルフは下がることもなく、アカリを自分の攻撃のリーチに捉えたまま連続で突きを繰り出した。だが、

キンッ…キンッ…キンッ…

と続くのは《小さな》短剣に《大きな》両手剣がぶつかり、弾く音ばかりだ。

まるで両手剣は上下に振り回しているだけのように見えるが、自分の剣が下にある時は上へ短剣を弾けるように、上にある時は短剣を下へ払えるようにアカリも意識しないまま剣を操っている。しかもこれは相手の動きで技の軌道が読めていないと成り立たない。


単純で地味ではあるが、アカリのセンスを感じさせる動きだ。

そのまま四度、五度…と短剣を弾いたところでアカリは振り下ろしの力を強くした。ステータスを筋力により振っているアカリのその攻撃は相手の体勢を崩させるのに十分だった。そのままの流れで右腰の辺りに構えた両手剣が淡い黄色に発光する。

両手剣切り払い《クレセント》

やや斜めに、剣先で三日月を描くように振り抜かれたアカリの剣がリバーサイドウルフの腹から右脇にかけてを切り裂いた。そして、HPバーがガクンと減少したところで、

「…あっ、あれ?あたし……」

アカリのい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ