暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
プロローグ リアル・ワールド
前書き
[1]
後書き
[2]
次話
僕は世界が嫌いだった。
学校で弱者だけを狙ってイジメをし、それを見てみぬふりをする同級生。
さらにイジメを黙認し、教科書を当たり前のように読み続ける先生。
何ら変わることのない日常。
うんざりだった。ぶち壊したかった。だが、できなかった。
所詮、僕は非力な小学三年生でしかない。ある能力といったらパソコンに少し詳しいぐらいだ。兄と二人暮らしをしている小日向 蓮。
両親?とっくに死別した。僕が小さい時に死んだから、あまり記憶はない。あまりというか全然ない。だけど少しだけ覚えてることがある。
それは、断片的な記憶で何があったのかすら覚えてないが、血だまり、人だったモノ、くるくる回る赤いランプ……
何があったのか兄に聞いたことがあるが、帰ってきたのは苦笑と僅かな……憐れみ。
それ以来、僕は兄にそのことを聞いてない。聞かない方がいいと何故か解った。
そんな絶望的な現実世界で過ごしていると、あるCMが、自宅のオンボロテレビに映った。
それは世界初のMMORPG、その名も『ソードアートオンライン』が発売される、というものだった。
異世界……それは僕の欲望を刺激するのに充分すぎるものだった。
欲しい、生まれて初めて心の底からそえ思った。
だが、そのゲームは対象年齢は十三歳以上だった。がっかりした。
これでもなかったのか、と。
だが以外にも、こういう事には一番興味がなかった兄が急に興味を示し、徹夜で行列に並んだ。そして、正式サービス開始を子供のように待ち望んでいた。
だが、運は兄を見放し、兄は正式サービス初日から高校の修学旅行に行くことになった。仕方なく兄は半泣きで修学旅行に出かけて行った。
その兄不在の中、僕は勝手に兄のナーヴギアを使い、ソードアートオンラインにフルダイブした。
それが歴史上稀に見る大事件の発端とは知らずに………
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