序章 出会い
第1話 旅立ち
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ろ“任務”を果たさなきゃ、“お釈迦様”に大変失礼だよ。」
たぶん、読者の皆には意味不明な会話だよな。今から今の会話の内容について出来るだけ詳しく説明しよう。
読者の皆は『十二支』って知ってるよな?古くから伝わる歴法の事だ。
そして、この世界には『十二支』の動物の血を持つ者が存在するんだ。我がバンギ家は、『十二支』の動物の1つである“子”―――つまりは“鼠”の血が流れているんだ。俺はバンギ家10代目の“子”の血が流れている人間なんだ。
そして、『十二支』の血が流れる10代目の“子”の人間―――つまりは俺は、この生涯を終えるまでにとある“任務”を果たさなきゃならないんだ。その“任務”はと言うと―――――
―――――『十二支』の中で、“トップを目指す”事。
これは“お釈迦様”という、仏教の神様の命令だから、絶対に逆らう事は出来ないんだ。その代わり、自分の生涯を終える=死ぬまでなら“トップを目指す”事はいつでもいいんだ。
母「今の『十二支』のトップは“辰”だよ。気を引き締めて戦うんだよ。」
シ「戦うって、まだ行くって決まった訳でも」
母「今決まった。シン、明日お前はこの家を出て、“任務”を果たす為に旅立つんだよ。」
シ「はいはい、そうですか・・・ってえぇぇぇぇぇっ!!?」
何時何分地球が何回回った時そんな事決まったんだよォ!!?
これが母さんの悪い癖だ。勝手に人の事を決めて、一度決めて事は絶対に止めない。全く、困ったものだ。だが、俺はこの母さんの悪い癖に18年間もつき合わされてきたんだ。俺だってそう簡単に言いなりになる訳が無いっ!
シ「俺が“任務”を果たす為にこの家を出たら、母さん独りぼっちになるんだぞ?」
母「そんな心配は無用だよ。この村には優しい人達がたくさんいるんだ。独りぼっちなんかじゃないんだよ。」
シ「・・・・・」
母「それに、女手一つでお前をここまで育て上げた、母さんなんだよ?侮ったらいけないさ。」
・・・俺は静かに両手を上げる。降参だ。さっきは強がってみたものの、恥ずかしい事にこの18年間、母さんと口喧嘩で勝った事が一度も無い・・・
母さんは年を取るに連れて、どんどん口が達者になっていくんだ。
母「決まりだね。それじゃあ、早速旅支度しないとね。」
母さんは茶碗のとっくに冷めた残りのご飯を平らげると、いつも夕飯が済んだら真っ先にやる皿洗いもそっち退けて、俺の青い革製のリュックサックにいろいろ詰め込み始めた。着替えやタオル、箸や寝袋、懐中電灯やお金などなど・・・用意周到の母さんが詰め込むと、リュックはあっという間にパンパンになった。
母「シンは風呂入
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