第7話 再来のスケ番長!? 男は喧嘩に全力を尽くす者也
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か? それとも素手で戦い抜くと決めた為なのか? 互いの渾身の蹴りが上空で交差し合った。一瞬眩い閃光が見物していたスケ番達や美智の視界をくらませる。その一瞬の後であった。
大地に轟音と共に二体のロボットが落下してきた。ダイバンチョウもクレナイバンチョウもそれぞれ胸部に蹴りの跡が出来上がっており、双方共に機能を完全に停止させてしまっていた。
「姉御! 大丈夫ですか?」
「番、大丈夫?」
すかさずスケ番達と美智が動かなくなったダイバンチョウ達の元へと駆け寄っていく。そして、機能を停止させたロボットの中からそれぞれ茜と番が引きずり出された。
「いちち……良い蹴りを貰ったぜ」
「づっ……それはあたいも同じさ。あんたの渾身の蹴り、中々の威力だったよ」
お互い喧嘩を終え、目の前へと歩み寄った。二人の顔には最早闘気は消え去っており、寧ろ清清しささえ感じられた。
「楽しい喧嘩だったよ、これであたいも満足できたって奴だね」
「あぁ、俺としてもお前みたいな強い女は始めてだぜ。お前には憧れすら感じちまうぜ。初めてだな、女にマジで惚れちまいそうになっちまったのはよ」
「止してくれよ。痒くなっちまうだろ? あたいとあんたはこうして互いに本気で喧嘩しあった仲なんだ。これからはあたいとあんたは対等、ダチ公さね」
互いが互いを認め合い、堅く握手を交わした。互いに本気で喧嘩をした事によりこうして芽生えた堅い友情。それを確かめ合う為の握手でもあった。
「宜しくな、茜」
「こっちもな、番」
互いの名を呼び合い、笑顔を向け合った。その周囲で、番の事を兄貴と呼ぶスケ番達や満足そうに見ている美智の姿があった。
祖父の言いつけを破る結果となってはしまったが、そのお陰で心強い強敵を得る事が出来た番とバンチョウ。
そんな二人を祝うかの様に夕日が赤々と燃えているのであった。
つづく
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