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勇者番長ダイバンチョウ
第7話 再来のスケ番長!? 男は喧嘩に全力を尽くす者也
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空気を読まない者も居たりした。
「ねぇねぇ、どうでも良いけど早く助けてよ〜番〜〜」
 とっても間延びした声に思わずずっこけてしまう番と茜。
「み、美智ぃぃぃ! 折角気合が入ったってのにてめぇの間延びした声のせいで台無しじゃねぇか!」
「だってぇ〜、二人共見つめ合ってるだけで退屈なんだもん」
 どうやら美智自身は自分が人質にされていると言う自覚が欠片もないようだ。そのせいで更に緊張感が削がれてしまったのは明白だったりする。
「はぁ〜、折角良い感じだったってのに……全部が台無しじゃないのさぁ」
 額に手を当てて嘆き悲しみだす茜。折角本気で喧嘩出来る状況になっていたと言うのに連れてきた美智のせいで全てが台無しとなってしまった。これでは茜自身が自分のプライドを犠牲にしてまで立てた作戦が水の泡と化してしまったのだから泣きたくなるのも分かる気がする。
「嫌、お前のその意地は受け取ったぜ」
「何?」
「確かに、俺は女を殴れないってだけでお前のプライドを傷つけちまった。それに、お前は自分の意地に逆らってまで俺に喧嘩を挑んできた。男として此処までされた喧嘩を投げる訳にはいかねぇ」
「番……ちっ、礼は言わないからねぇ」
 思わず目から滲み出た涙を指先で強引に拭い取り、再び熱意の篭った目線をぶつける。
「それじゃ、この喧嘩を買ってくれるってんだね?」
「あぁ、だが生身じゃねぇ! 分かってるだろ?」
「勿論!」
 番と茜。二人がニヤリと笑みを浮かべる。その直後、番の横には一台の軽トラックとデコトラが、茜の横には赤いフェラーリとステルス戦闘機がそれぞれ姿を現した。
「今度はてかげん一切なしだ! お前のプライドと意地に敬意を称して本気で行かせて貰うぜ茜!」
「嬉しいよ番! 今度はお互い手加減なしで行かせて貰うよ!」
 啖呵を切り終えた後、番と茜がそれぞれ呼び出した車に乗り込んだ。
 番からバンチョウへ、そしてダイバンチョウへと合体をし、茜もまたスケバンチョウからクレナイバンチョウへと合体を果たす。
「場所を変えるよ。此処じゃ狭くて本気で喧嘩が出来ないしね」
「良いぜ。俺としても今日は本気で喧嘩がしたいしな」
 そう言うと、クレナイバンチョウは空を飛び、ダイバンチョウは大地を走って場所を変えた。生身であれば空き地でどうにかなるだろうが、流石に30メートル級のロボットになってしまうと途端に狭くなってしまう。それに付近には住宅街まである。例え喧嘩の為とは言え無碍に町を壊したくはないのだ。その思いは二人共同じだったようだ。
「あたしらも移動するよ! 姉御の喧嘩を最後まで見守るんだ!」
「あ、私も私もぉ!」
 その後を追うようにして配下のスケ番達、そして美智もまた場所を移動していった。




     ***




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