第七章
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」
まずは本郷、そして役が入った。最後に貴子が。三人は茶を飲みながら話をすることになった。
「!?」
二人は茶室に入ると肌で違和感を感じた。だがそれよりも先に貴子に案内されてそれは胸の中にしまいこむことになったのであった。
茶室の中は簡素であった。それまでも奥ゆかしさよりも茶室そのものといった感じであった。静かで、そこには所謂侘び寂びといったものがあった。京都の伝統的な落ち着いた茶室であった。
「表でしょうか裏でしょうか」
役はその部屋の中に正座すると貴子にそう問うた。
「表ですが」
「そうですか」
この場合は表千家か裏千家かという意味である。茶道の世界はその二つの勢力が大きいのである。
「それではどうぞ」
「はい」
二人は貴子が入れたお茶を飲んだ。作法に従いゆっくりと飲む。
「それではお話のことですね」
「はい」
二人はまず茶を置いてからそれに応えた。
「実は」
役が口を開いた。
「この前ある寺で事件がありまして」
「はい」
「その事件のことは。御存知でしょうか」
「勿論です」
貴子は二人と正対した。そしてそれに応えた。
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